小平奈緒選手 (c)朝日新聞社
小平奈緒選手 (c)朝日新聞社
高木菜那選手 (c)朝日新聞社
高木菜那選手 (c)朝日新聞社

 平昌五輪から、もう半年。あの氷上のヒロインは今、どうしているのだろう?

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 まずスピードスケート女子500メートルで日本人として初めて金メダルを獲得した小平奈緒選手(31)と聞けば“あの場面”を思い出す方が多いはず。ライバルの李相花(イ・サンファ)を破って優勝した小平が銀メダルに終わって涙を流す李に近付いていき、健闘を称えて肩を抱き寄せ、一緒に滑っていたシーンだ。

 李は五輪を二連覇した世界記録保持者で今大会でも金メダルを期待されていた開催国・韓国のスター。小平にとっては完全アウェーな状況だったが、あのシーンが現地メディアから“金メダル以上の価値を残した”“五輪精神を体現”と称賛されたのだった。

「あれは想定外のシーンで、凄い反響でした。勝者が敗者にあんなことをしたら嫌味に取られる可能性もありますから、本当に仲が良くないとできないことですからね。もっとも、その前に小平が自分のレースで五輪新記録を出して観客席が沸いていたとき、次に滑る李のことを考えて人差し指を唇に当ててシーッとやった場面が、いかにも彼女らしかった。ああいう気遣いのできる、周りが見えている人なんですよ」

 こう語る五輪担当記者によると小平は8月上旬、スポンサーのイベントで久しぶりに公の場に現れ、スピードスケート選手がオフに行う自転車トレーニングで自己ベストタイムが出たと明かし、「まだ進化していける」「燃え尽きたところは、ありません」と語ったというから頼もしい。

「ただ、今は4年後の五輪を目指すというより、500メートルの世界記録を出したい、と言ってました。スピードスケートで記録を出せるのは空気抵抗が少ない高地のリンク。それはソルトレークかカルガリーだと言われていますから、彼女は今季、その2つのリンクでのレースに合わせてくるでしょう」(同前)

 もう一人、気になったのはスピードスケート女子団体追い抜き(パシュート)と新種目のマススタートで2つの金メダルを獲得した高木菜那選手(25)だ。

 彼女の所属する日本電産サンキョーの永守重信会長は太っ腹で有名なお方である。スポーツマスコミは金メダル2つの報奨金は合計「4000万円」で、その半分は「会長のポケットマネーから」出て、彼女の立場は「3階級昇進」と報じていたが、実際、どうなったのか? 図々しく聞いてみた。

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高木菜那選手へ渡された報奨金は…