週刊朝日8月10日号「手術数でわかる 痔のいい病院」から
週刊朝日8月10日号「手術数でわかる 痔のいい病院」から

 痔は、働き盛りから高齢者まで、誰もがかかる病気だが、恥ずかしさなどで病院にかかっていないことも多い。しかも、病院選びを失敗してしまうと、手術後に思わぬ事態になる可能性がある。週刊朝日編集部では、痔の治療実績がある病院を独自調査。週刊朝日8月10日号に掲載した「痔のいい病院」全国リストから、1都3県(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県)の病院リストを抜粋して紹介する。

【痔のいい病院リストの続きはこちら! 独自調査1都3県132施設を一挙公開!】

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 肛門のおもな病気には、いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、あな痔(痔瘻)がある。痔核が約60%、裂肛と痔瘻がそれぞれ約15%を占め、痔核は40代以降の人なら、だれでも持っているといわれる。痔核に比べて痔瘻の患者数は少ないが、治療にはさらに専門的な知識と、高い技術が必要になる。

 週刊朝日編集部は、内痔核治療法研究会が定めるALTA実施施設と、日本臨床肛門病学会会員の医師がいる1415病院を対象に調査用紙を配布した。2018年4月~7月13日の調査期間中に回答があった病院のうち、2017年1年間(1~12月)の痔核手術数が1例以上、もしくは痔瘻手術数が1例以上の病院を都道府県別に掲載した。

 病院リストを読み解くうえで、病院選びのポイントを抑えておきたい。

 まず、痔の手術では、技術と経験値をかねそなえた医師・病院を選ぶ必要がある。

 頼れる医師・病院選びの目安になるのが手がけた手術数だ。症例数が多ければ経験値も高く、さまざまな事態への対応力も高い。

 肛門を専門に診る病院では、痔核も痔瘻もどちらも手がけるのが一般的だ。

 日本臨床肛門病学会理事長で、岩垂純一診療所所長の岩垂純一医師はこう話す。

「簡単な言い方をすれば、痔瘻の手術は痔核の手術よりむずかしい。痔瘻もしっかり実績を積んでいる病院なら、技術的に確かだといえるでしょう」

 年間、合わせて300~400例、そのうち痔瘻の症例が50例以上なら、頼れる病院といえるだろう。最低でも年間100例の症例数がほしい。

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手術実績が十分な病院を選ぶべき