「山根は若い時分から、ずっとワシの弟分。組を構えてからは、組員やった」

 だが、山根会長はこう反論する。

「M氏がワシのことを組員だ、舎弟だとか言ってるそうやが、盃も交わしておらず、組員や舎弟でもない。昔、大阪の玉造の商店街で、ワシが1人、向こうが6人で喧嘩になった。その仲裁に入った人物から、M氏を紹介された。たぶんワシが19歳くらいだったと思う。それからの付き合いやが、個人的なものでヤクザにもなってない。トータルすると約60年の付き合いになるが、もう5年くらい前からは会ってない。それまでは、M氏から食事に呼ばれたり、こちらが招待したりという程度や」

 山根会長は長く、日本ボクシング連盟の要職を歴任した後、2011年に会長に就任。M氏が暴力団組長として権勢をふるった時代も付き合いがあったというが、問題はないのか。山根会長はこう答えた。

「古くからの友人として食事に行くくらいや。ボクシングのことで世話になったことなど1度もない」

 さらに話題になってのは、日本大学の田中英寿理事長との交友関係だ。

 その話題について聞くと

「田中先生は男や。その一言や」と話す山根会長。

 ホームページによると、山根会長は日大の桜門ボクシング部会の「常任幹事」という立場にいる。日大との関係は、どういうものなのか。

「ワシの前の会長、川島五郎先生は日大です。川島先生は長く名門日大のボクシング部監督を務めていました。その時、川島先生から『日大ボクシング部の特別会員に』と依頼があり、光栄なことだと特別会員になったのがきっかけ。その後、連盟の会長になり、アマチュアボクシングの代表としてJOCなどの会合に出席したときに田中先生とも面識ができました。そして、約7年前から、会合などで会うと親しく話すようになりました。田中先生の奥様が経営されている、ちゃんこ料理店にも行ったよ。田中先生は、相撲を五輪にしたいと熱い人。ひとことで言うたら、男や。ボクシングにも詳しく、会えばよくボクシングの話題になる」

 そして、今年4月から山根会長は日大の客員教授に就任した。

「そういう付き合いの中で、田中先生が、ボクを推薦してくれたんでしょう。世間は、ワシが頼み込んで客員教授になったとか、好き勝手に思っているのでしょうが、そんなバカな話はありません。教授と名の付くものですよ、自分で売り込んでなれるわけがない。ワシが売り込む理由もない。はっきり、言うときます」

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