日本ボクシング連盟の山根明会長(撮影/今西憲之)
日本ボクシング連盟の山根明会長(撮影/今西憲之)
村田諒太選手(撮影/大塚淳史)
村田諒太選手(撮影/大塚淳史)
自宅の表札には、終身会長と記されている…(撮影/今西憲之)
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「ワシはヤクザやないぞ! 書くなら愚連隊と書け!」

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「村田の金メダル、後ろに世界の山根がおったから獲れたのや」

 そう、ド迫力のある声で訴えるのは、日本ボクシング連盟の山根明会長(78)だ。

 日本ボクシング連盟の関係者、333人から12の問題に対しての「告発状」を突き付けられている山根会長。

 自身と暴力団との関係、日本大学の田中英寿理事長との「男の付き合い」や告発状への反論、世界チャンピオンの村田諒太選手の金メダル獲得の舞台裏など、約2時間に渡り、本誌のインタビューに答えた。

 まず、2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得した村田諒太選手について。

 村田選手は今回の連盟の告発騒動に対して、自身のFACEBOOKで、<そろそろ潔く辞めましょう、悪しき古き人間達、もうそういう時代じゃありません>と記していた。これに対し、山根会長は怒り心頭でこう捲し立てた。

「自慢話になってしまうが、世界の山根、カリスマ山根、アマチュアボクシングの世界のコーチ、監督に聞いてくれたらええ。山根の名前はとどろいとる。ロンドン五輪で村田と清水聡がメダルを獲得したが、それもその名前の影響が裏であったからや」

 ロンドン五輪で村田選手が金メダルをかけた決勝戦に出場する時、セコンドに急きょ、山根会長の息子、昌守氏が入ったことも問題となっている。だが、山根会長はその理由をこう話す。

「村田も前評判は高かったが、五輪では苦戦していた。準決勝の戦いも1ポイント差でギリギリ勝った。そこで決勝戦。アマチュアボクシングでは、判定が同点の場合、マルかペケかで勝敗を決する。その時、ワシの息子をいれておけば、山根の名前はでかい、効果があると、入れ替えたんや」

 山根会長によると、村田選手と共に、銅メダルを獲得した清水選手の2回戦の時、それが実証されたという。相手側のアゼルバイジャンの選手より、清水選手が圧倒的有利だったにもかかわらず、一度は敗戦となったのだ。そこで、日本側が抗議し、判定が覆り清水選手は勝利し、銅メダル獲得となった。

「一度、決まった判定が覆るというのは、ボクシングの五輪では過去、なかった。清水は絶対に勝っていた。そこで猛抗議したんや。それを覆らせたのは、ワシのアマチュアボクシング界での政治力。抗議にサインしたのは、ワシの息子、昌守や。山根の名前があるから抗議が通って、判定が覆り、清水が勝った。日本ではおとなしくしてますねん。けど、海外ではここいう時はワシは勝負します」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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