医師に「有効な治療法はない」と言われた… 誤解してほしくないその言葉の真意とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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医師に「有効な治療法はない」と言われた… 誤解してほしくないその言葉の真意とは?

狩生聖子週刊朝日
イラスト/CHARAPHIC LAB Co. Ltd.

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「確かにがんが治るか、治らないかということを前提に話をした場合、『有効な治療法はない』という答えになってしまうことはあります。ただ、医師にはほかにもできることがたくさんあります。症状の改善に加えて、家での生活や仕事の悩みなど、その人らしい過ごし方ができるように、どんなサポートが可能なのかを一緒に考えます」(帝京大学病院腫瘍内科准教授の渡邊清高医師)

■臨床試験を希望する場合

 先進医療や新薬の臨床試験(治験)、代替医療などを試したい場合、対応してもらえるのでしょうか。

「先進医療や臨床試験についてご紹介することはもちろん、あります。ただし、いずれも科学的根拠は十分ではありません。臨床試験は治療の可能性を探るための実証研究の段階で、患者さんによって、期待できる効果が得られることもある一方、思わぬ副作用が発生する可能性もあります。こうしたことをよく理解していただいた上で参加するかどうかを考えてほしいと思います」(渡邊医師)

「臨床試験に興味がある場合はまず、主治医に聞いてみましょう。患者さんやご家族が情報を探し、直接、医療機関に相談することもできます。ただし、がんの臨床試験だけで年間何百という数がおこなわれています。このうち、将来的に有効な治療となるものはごくわずかだという現実は理解しておいたほうがいいでしょう」(林医師)

 民間療法を含む代替医療は、治療効果について科学的根拠に乏しいのが現状です。医師に見放されたと思い込み、患者に期待させる言葉をかけてくれる医師を探し求めてしまうと、怪しい療法に行きつく恐れもあります。

「手をつくしたいという思いはよくわかるので、代替医療自体は否定しません。ただし、それによって時間や体力、お金を失い、後悔するようなことがあれば、それはハッピーではありません。まずはなぜ代替医療に関心があるのかや不安など、遠慮なく話していただきたいですね」(渡邊医師)

◯取材協力
東京女子医科大学病院がんセンター長化学療法・緩和ケア科教授
林 和彦医師

帝京大学病院腫瘍内科准教授
渡邊清高医師

(文/狩生聖子)

※週刊朝日ムック「がんで困ったときに開く本2019」から抜粋


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