保守的な音楽シーンに反旗を翻したウィリーとウェイロンとアルマジロ!?

連載「知新音故」

小倉エージ週刊朝日#小倉エージ#知新音故
ウィリー、ウェイロン、そしてアルマジロをジャケットに配した『アウトロー&アルマジロ:カントリーの騒然たる70年代』(ソニーミュージック SICP-5815~6)
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ウィリー、ウェイロン、そしてアルマジ...

 ベトナム反戦やヒッピー運動を経た1970年代のアメリカには、“レッドネック・ロック”や“アウトロー・カントリー”と呼ばれたムーブメントがあった。長髪&カウボーイハット姿で一般的なポップス志向のカントリー・サウンドに「NO!」と言い、独自の自由なカントリー・ミュージックをアピールした一群だ。その時代の空気を凝縮したコンピレーション・アルバム『アウトロー&アルマジロ:カントリーの騒然たる70年代』が発売された。

【『アウトロー&アルマジロ:カントリーの騒然たる70年代』のジャケットはこちら】

 今年5月、米国にあるカントリーの殿堂博物館が、テネシー州ナッシュヴィルとテキサス州オースティンとの文化交流を紹介し、その功労者をたたえる展示会を開始。本アルバムは展示会に連動して企画された。

 2枚組で、カントリーの34アーティスト&グループによる計36曲を収録。ジャケットを飾るのは、カントリー界の重鎮ウィリー・ネルソン、アウトローの先駆者ウェイロン・ジェニングス、そしてアルマジロ!

 ウィリーは1933年、テキサス州アボット生まれ。昨年4月、トランプ氏が選出された大統領選挙を素材にした「削除そして早送り」などを収録したアルバム『なんてこったい!』で話題を集めた。今春に『ラスト・マン・スタンディング』を出し、9月にも新作の発表があるなど、85歳となった今も精力的に活動している。

 60年代、ソングライターとしての才能に着目されてナッシュヴィルに向かい評価を得たが、歌手としては鼻にかかった独特の声やジャジーな節回しが、保守的なナッシュヴィルでは受け入れられず“異端派”として不遇の時代を送った。

 72年にオースティンに移住すると、昔ながらのカントリー・ファンに加え、ヒッピー世代がカントリー・ミュージックを自由に楽しんでいるのを見て感動。この地で南部の労働者やヒッピーに分け隔てなく親しまれる新しいカントリー・ミュージックを実践した。ロック、フォーク、ジャズ、ブルースなど幅広い音楽性を反映した取り組みで、“レッドネック”(首筋が日焼けした白人の俗称)と呼ばれた。

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