2008~2017年の「甲子園」。2015年は「高校野球100年」を記念して、「タッチ」の浅倉南が表紙を飾った
2008~2017年の「甲子園」。2015年は「高校野球100年」を記念して、「タッチ」の浅倉南が表紙を飾った
表紙決定会議では、数十枚ある候補写真の中から今年の表紙写真を選ぶ
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週刊朝日増刊号「甲子園2018」
週刊朝日増刊号「甲子園2018」
朝日新聞出版から発売中の『完全保存版 夏の甲子園100回』。47都道府県の歴代のヒーロー球児たちの写真をたっぷり掲載!
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朝日新聞出版から発売中の『あの夏 上・下』。朝日新聞で2014年から始まった連載「あの夏」を単行本化。誰もが忘れぬ名勝負と球児・監督の記憶がここに!
朝日新聞出版から発売中の『あの夏 上・下』。朝日新聞で2014年から始まった連載「あの夏」を単行本化。誰もが忘れぬ名勝負と球児・監督の記憶がここに!

 8月5日、夏の甲子園が開幕する。そのお供は、朝日新聞出版の週刊朝日増刊号「甲子園」。地方大会を勝ち抜いた代表校のデータがぎっしり詰め込まれた、高校野球ファンのバイブルです!

 「甲子園」の看板と言えば、表紙の女子高生。チアガールや、スタンドで応援する女子高生たちはどうやって選ばれているのか。撮影にはどんな工夫があるのか――。
   
●表紙写真は前年夏の甲子園大会から

「甲子園」は、朝日新聞出版が発行し、週刊朝日編集部が編集している。注目選手のグラビア紹介、かつての甲子園ヒーローたちのインタビューのほか、戦力分析、地方大会の通算成績、選手の集合写真、校歌、監督の横顔が盛り込まれ、〝通〟は大きなクリップで対戦校同士を挟み、そこかしこに追加情報を書き込みながら使うのだとか。

 メインとなる戦力分析は、全国の朝日新聞記者たちが、地方大会の取材をまとめ、執筆している。かつては長行の原稿を書く絶好の機会として、「若手記者の登竜門」と謳われた時期もあった。

 表紙の写真は、朝日新聞出版写真部のカメラマンが、前年夏に甲子園球場で撮影している。

 写真部の小林修部長によると、カメラマン2人が毎年「表紙担当」として、大会期間中にアルプススタンドを練り歩く。5年ほど前までは表紙担当は1人だったが、「複数の目で候補を探そう」と2人体制に変えた。どんな女子高生を撮影するかは、カメラマンの「センス」に任せている。

●決定会議は多数決 題字や配色との相性あり

 地方大会が始まる前の6月末ごろになると、その年の「甲子園」表紙の決定会議が開かれる。実はこれはシンプルに多数決。写真部、週刊朝日編集部、デザイン担当部署などの部員が集まり、議論して決めるのだ。

 候補者が何人もいる年もあるが、雑誌の表紙を決めるときは、写真として見栄えのいい被写体を選べばよし、というわけではない。題字や見出しを置いてみて、なおかつその配色を何パターンも試して、決定していく。「題字が黄色だとこの子がいいし、赤色だとあの子で……」。かくして、最終的な1枚に決定するのは「決定会議」から2週間後くらいになる。

 表紙の女子高生が決まれば、学校を通じて本人や保護者に許諾を得る。在校生もいれば卒業生もいる。ちなみに今まで断られた事例はあまりないようだ。
  
●1年生の時にも撮影していた!
 
 8月5日に開幕する第100回全国高校野球選手権記念大会。今年の「甲子園2018」の表紙を飾るメモリアルガールは、昨年優勝した花咲徳栄3年の岡田真菜美さん(17)。今年も北埼玉代表として甲子園に帰ってくる同校。岡田さんは1年生のときから応援スタンドに立つ。その岡田さんが2年生だった昨夏、写真部の2人のカメラマンが見逃さず、撮影していた。

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「絶対この子」の確信があった