侍ジャパンの五輪起用は「実績」より「体調」 東尾修が懸念

連載「ときどきビーンボール」

東尾修週刊朝日#東尾修
日本戦の開幕試合がある福島県営あづま球場のグラウンドを歩く稲葉篤紀監督(右) (c)朝日新聞社
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日本戦の開幕試合がある福島県営あづま...

 西武ライオンズの元エースで監督経験もある東尾修氏は、開催まで2年を切った東京五輪の野球について、課題は山積みだと指摘する。

【写真】あづま球場のグラウンドを歩く稲葉篤紀監督

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 2020年東京五輪、野球の大会方式が固まった。7月29日に福島県のあづま球場で日本戦が行われて開幕し、以降は横浜スタジアムを舞台にして8月8日に決勝戦。基本的に期間中は正午開始と午後7時開始で試合が組まれると聞く。

 高校野球の地方大会でも熱中症の症状を訴える選手が続出している。酷暑が予想される屋外球場での試合。デーゲームとナイターで、まず体調面、コンディションに、大きな有利、不利が生まれるだろう。

 6カ国・地域しか出場しない大会。まず、3チームずつに分かれての「オープニングラウンド」。これは単なる順位づけでしかないよね。結局、全チームが敗者復活戦のある「ノックアウトステージ」に進出するのだから。負けても金メダルの可能性が消えるわけではない。

 何段階も敗者復活に回れる「ノックアウトステージ」は複雑だ。初戦で消えるのはオープニングラウンド3位同士の対戦で負けたチームだけ。それ以外は敗者復活で拾われる。

 オープニングラウンド1位突破で、最短で金メダルまでは5試合でいける。だが、ノックアウトステージで敗者復活に回ると最大で7試合戦うことになる。4勝3敗でも金の可能性もある。超変則的な戦いを巡り、稲葉篤紀監督ら首脳陣は起用法に頭を悩ませるだろうと思う。

 稲葉監督は「負けるつもりはない」と、全勝を目標に掲げる。当たり前である。1試合でも増えれば、わずか11日間の大会で投手起用に大きなひずみが生じる。フレッシュな状態で戦うためにも、勝ち続けることが大きなアドバンテージとなる。だが、起用法に関しては「敗者復活戦」も想定しないといけない。

 私が投手総合コーチを務めた13年の第3回WBCは、今回ほど複雑ではないが、敗者復活があった。連勝すれば3試合だが、負けたらもう1試合増える。それを考えた時に、先発投手に登板日を伝えたのは2日前だった。1週間の中で決まったルーティンを実践する先発陣には酷なことだが仕方がない。それが五輪では、もっと複雑化する。

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