家庭で育てるミントやバジル、オレガノのほか、無農薬栽培のみかんやユズ、レモンの皮を冷凍して使えば、爽やかな香りを楽しめる「夏の手浴」に最適のようだ。ただ、レモンの皮は注意が必要だ。「光毒性があるので、手浴後に紫外線に当たらないように気を付けてください」(同)
池田さんはハンドケアマッサージの講座を開く傍ら、福祉や介護の現場でも普及活動をしている。
ある埼玉県内の高齢者施設では、女性看護師が脳梗塞(こうそく)後の患者に手浴を施す。
「清潔さを保つほか、爽快感が増し、二次感染の予防、血行改善、関節拘縮の改善と予防にもつながります。麻痺(まひ)こそないが手に震えがある人が、湯の中でグー、パーと指先運動をすると、震えが落ち着くんです」(看護師)
なによりもコミュニケーションを深める効果があると、看護師は補足する。
「手を温めると、みんな穏やかになるんです」(同)
手浴をきっかけに、ハンドケア美容にも、めざめたいところ。
「手は顔と違って老化を防止できる。常にクリームを塗った手は、1~2歳違いますよ」(池田さん)
若返りは手から。さっそく、手浴を始めてみませんか。(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2018年8月10日号