毒蝮三太夫 毒舌許されるのはウルトラ警備隊のおかげ?

2018/07/31 07:00

毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆう)/1936年、東京生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。聖徳大学客員教授。中継コーナー「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」(TBSラジオ)は69年10月にスタート。今年4月からは「金曜たまむすび」の中で、午後2時から約25分間放送されている(撮影/岡田晃奈)
毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆう)/1936年、東京生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒。聖徳大学客員教授。中継コーナー「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」(TBSラジオ)は69年10月にスタート。今年4月からは「金曜たまむすび」の中で、午後2時から約25分間放送されている(撮影/岡田晃奈)

 もし、あのとき、別の選択をしていたなら──。ひょんなことから運命は回り出します。人生に「if」はありませんが、誰しも実はやりたかったこと、やり残したこと、できたはずのことがあるのではないでしょうか。昭和から平成と激動の時代を切り開いてきた著名人に、人生の岐路に立ち返ってもらい、「もう一つの自分史」を語ってもらいます。今回はタレントの毒蝮三太夫さんです。

*  *  *
「ババア、そんなきったねえ顔でよく外を歩けるな」だの「ジジイ、まだくたばらないのか」だの、暴言の連発が何となく許されているのは、俺のバランス感覚と、あと知性と美貌のおかげだね。アハハ。

 この歳になってもこんなふうに仕事させてもらっているのは「毒蝮三太夫」になったから。それは間違いない。役者の石井伊吉(いしいいよし)のままだったら、とっくに引退して、日がな一日、庭いじりか何かしてただろうね。

――「毒蝮三太夫のミュージックプレゼント」は、TBSラジオの名物中継コーナー。リスナーは毒蝮の毒舌を楽しみにしている。言葉遣いは乱暴だが、周囲を不思議と不愉快にさせず、むしろ高齢者は「ジジイ」「ババア」と呼ばれて喜んでいる。

 最初から「ジジイ、ババア」って言ってたわけじゃないんだぜ。何年かは「おばあさん、今日もいいお天気ですね」なんて調子でおとなしくやってた。でも、しっくりこないんだよ。よそいき着てるみたいでさ。昔からの友人からもおまえらしくないって言われてたんだ。猫かぶったまま無理して長く続けてても仕方ない。見逃しの三振だけはしたくない。降ろされてもいいから本当の自分を出そうって開き直って、今みたいに「うるせえな、ジジイ!」って言い始めたんだよね。

 最初は、ずいぶん抗議が来たらしいよ。でも、局のほうがスポンサーに「蝮さんはこれでいいんです」って説得してくれて、俺には「今のままやってください」って言ってくれた。ありがたいよね。腹の据わってないスタッフだったら、あっという間に降ろされてるよ。

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