(5)渥美清さんと永夫妻とは、メキシコやハワイなど、一緒に海外旅行に出かけるほどの仲だった。アルバムには直筆で「アカプルコにて」の文字が

(6)人気番組「夢であいましょう」の放送やリハーサル後など、共演者らがしばしば永さんの自宅に集まっていた。アルバムには「夢あいパーティー」と記載され、渥美清さんやE・H・エリックさんらの姿が。「生放送で一緒にいる時間が長いせいか、みんなすごく仲がよくて、いろいろな方が本当にしょっちゅう家に来ていました。あまりにも楽しそうなので、子どもの私は、もう寝なさいって言われても、なんとかして混じろうとしていたのをよく覚えています(笑)」(娘の麻理さん)

(7)自宅で撮影された家族ショット。長女の千絵さん、六輔さん、次女の麻理さん、妻の昌子さん

■妻あっての永六輔、みたいなところがある父でした

「父が残してくれた写真、多いですね。旅行をしたり、映画や芝居を見に行ったり。父はわかりやすく家族を大事にする人でした。永家の結束が強かったこともあり、お正月には毎年、生家に兄弟、親戚が30人ほど集まったものです」

 永六輔さんの次女でフリーアナウンサーの麻理さん(56)が、貴重な家族写真を手に述懐する。

「父は母(昌子さん)に惚れ込んでいました。60歳を過ぎても外出するときは必ず手をつないで歩いていたほど。『マッチ(昌子さん)は素敵だね。キレイだね』と、娘に同意を求めることもありました(笑)。

 母が亡くなった後はさすがに落ち込んでいましたが、いなくなった妻に宛ててずっとハガキを書き続けていました。わざわざ投函して『永昌子サン』宛てに家に届いたハガキ、1500通はあります。いつまでも母を生かしていたかったんだと思います。

 父が他界してすごく悲しかったけれど、晩年、パーキンソン病を患っていた苦しさから解放され、愛していた昌子さんのところへ行くことができた。二人がまた会えて良かった、と安堵しています」

(取材・文/本誌・伏見美雪、沖田十二)

週刊朝日  2018年8月3日号