介護する側も認知症…増加する“超”老老介護の悲劇 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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介護する側も認知症…増加する“超”老老介護の悲劇

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(c)朝日新聞社

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(週刊朝日 2018年8月3日号より)

(週刊朝日 2018年8月3日号より)

 100歳人生時代の日本で避けて通れないのが老老介護の問題。今や半数以上が65歳以上の人が65歳以上の人をみる老老介護で、後期高齢者同士も珍しくない。

【要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移】

 今年で70歳になる神奈川県在住のヨシオさん(仮名)は、93歳になる母親を自宅でみている。母親の介護度は要介護4で、在宅酸素が必要。在宅医療のほか、ケアマネジャーのつくったケアプランに沿って訪問介護などを受けていた。

 そんななか、検診でヨシオさんにがんが見つかる。幸い、初期のがんで症状もない。本来なら手術を受けるところだが、そうしなかった。進行して症状が現れるようになり、医師から「一刻を争う状況」と説明されても、手術を拒んだ。

 なぜヨシオさんは手術を受けなかったのか。

「実は、自分の病状より、介護をしている母親のことが心配で、踏ん切りがつかなかったのです」

 こう話すのは、ヨシオさんをよく知る神経内科医、宮澤由美さんだ。訪問診療などを経験した後、現在は汐田総合病院(横浜市鶴見区)副院長・総合ケアセンター長を務める。

「結局、事情を知った母親の在宅医が、在宅療養後方支援病院に連絡をとり、ヨシオさんががんの手術を受ける間だけ、母親を入院させることになりました」

 在宅療養後方支援病院とは、在宅医療や在宅介護を受けている患者やその家族が安心してわが家で暮らせるよう、在宅医の後ろ盾となって対応する医療機関のこと。患者や家族に何らかの健康問題が生じると、患者が入院できる仕組みだ。

 母親が入院する日。ヨシオさんは、「手術が終わって退院したら、すぐに迎えに来るから」と、車いすに座った母親の手を握ってから、自身が手術を受ける病院に向かったという。

 ヨシオさんのような事例は今、増えている。81歳の男性が78歳の妻を自宅でみるケース、86歳の女性が95歳の認知症の姉を介護するケース……。高齢者が高齢者を介護する「老老介護」という言葉が生まれて久しいが、超高齢化社会になるとともに老老介護の問題は深刻に。介護する側もされる側も75歳以上の“超”老老介護の時代が到来しつつあるのだ。宮澤さんは言う。


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