でも、ひとつ朗報があります。昼寝が認知症予防にプラスに働くというのです。つまり、夜に眠れない分を昼寝でカバーすればいいのです。ただし、寝すぎはよくありません。60分未満の昼寝はアルツハイマー型認知症の発症リスクを下げ、60分以上はリスクを高めるというデータがあります。
ちなみに私自身は、長い間、午後9時半就寝で午前3時起床の5時間半睡眠でした。3時半すぎには病院に出かけて、仕事を始めます。午前中の外来診療中に睡魔に襲われると、机の上に両足をのせて、仮眠をとることにしていました。5分寝るだけでも、頭がすっきりします。
ところが昨年、病院の近くに転居して睡眠のパターンが変わりました。睡眠時間が1時間のびたのです。そうなると午前1時半ぐらいに小用のために目が覚めます。前の方がよく眠れていたかもしれません。
やはり、それぞれに自分に合った睡眠のパターンを見つけるのが大事です。眠れない人は睡眠薬を飲んでもいいのです。
対談した読売新聞グループ本社主筆の渡邉恒雄さんは70年にわたって毎日、睡眠薬を飲み続けているとおっしゃっていました。睡眠薬でしっかり寝ているせいか、渡邉さんには、認知症が入る隙がまるでなさそうでした。
※週刊朝日 2018年8月3日号