UCC上島珈琲が販売する「家淹れアイスコーヒーセット ゴールドスペシャル ドリップコーヒーアイスコーヒー6P」は、6杯分のコーヒーの粉と耐熱ジャーが付き、氷の位置やできあがりの位置がジャーに記されていて、初心者でも臆せず試せそうだ。

 このほか、自宅向けの水出しタイプの器具も探してみた。コーヒー器具を多く取り扱う耐熱ガラスメーカー「HARIO」(東京・日本橋)の「フィルターインコーヒーボトル」は、ボトルの内部にフィルターが付いていて、そこにコーヒーの粉を入れて、水を注ぐだけ。1回で5杯ほど作れ、そのまま保存できるのも便利だ。広報担当者によると、売れ行きは5年前と比べて2倍になったという。

 さて、コーヒー界の次のトレンドは何だろう。

 その一つは「ドラフトコーヒー」。ビールサーバーのようなマシンから注がれる泡立つコーヒーはまるでビール。アメリカでは「ニトロ(ナイトロ)コーヒー」と呼ばれている。水出しのコーヒーを樽詰め後に圧縮したニトロ(窒素)を入れることで、サーバーから注ぐときに泡が出る。「スターバックスコーヒー」では、東京ミッドタウン日比谷店など一部店舗で「ナイトロコールドブリューコーヒー」という名で提供する。

 最近は「フードペアリング」というコーヒーに合う食べ物選びも話題になっている。

「じゃこやゆかりのおにぎり、ソバにもコーヒーが合うんですよ」

 と教えてくれたのは、前出の「丸山珈琲」の社長を務める丸山健太郎氏。

 ソバにはグアテマラ産の深煎り、おにぎりの具がじゃこであればブラジル産、ゆかりはエチオピア産の華やかな香りが合うという。

 調べてみると、他にあった。焼きそばパンにはケニア産、ボリビア産にはメンチカツ、チーズに合うのはエチオピア産……。

「コーヒーはこう淹れるべき、という考えを捨てること。たくさん失敗しないと、おいしくなりません。わからないことがあれば、豆を買う店に相談しましょう。コーヒー日誌を持参して行きつけの店に助言を求めてもよいですね」(丸山社長)

 ただ、大前提がある。丸山社長によると、焙煎して1カ月以内の新鮮な豆を購入し、計量スプーンなどを使って計測する。そして毎日楽しむこと、だそうだ。

 さあ、おいしいコーヒーを作ってみませんか。

(本誌・大崎百紀)

週刊朝日  2018年8月3日号