●急冷タイプの淹れ方


 用意するのは、フレンチプレス(0.35リットルサイズ)、耐熱グラス、茶こし、マドラー、コーヒーの粉(中挽き)、これに湯と氷。

(1)通常の倍の量のコーヒーの粉(28グラム)をフレンチプレスに入れ、沸騰した湯(トータル200ミリリットル)を2回に分けて入れる。熱湯をプレスに注ぎ始めたら4分計測。
(2)ふたをして、プランジャーといわれるフィルターを液体表面まで下げ、4分経ったら押し下げる。
(3)あらかじめ急冷用の氷(8個ほど)を入れた耐熱グラスに茶こしで濾しながら淹れる。
(4)マドラーでかき混ぜてできあがり。

「ポイントはすぐに急冷することです」(同)

●水出しタイプの淹れ方
 フレンチプレス(1リットルサイズ)とペーパーフィルター、コーヒーの粉(中挽き)、ラップ、スプーン、ドリッパー、水を用意。

(1)コーヒーの粉(90グラム)をフレンチプレスに入れ、水(900ミリリットル)を注ぎ入れる。
(2)フレンチプレスの上部にラップでふたをして、冷蔵庫で6~8時間冷やす。
(3)ラップを外してスプーンで表面をさすように少しなじませる。
(4)ペーパーフィルターをセットしたドリッパーで静かに濾す。そのままでも、氷を入れて飲んでも美味。

 飲み比べてみると、水出しのほうがやや透明で味わいもあっさりという印象。ミルクやガムシロップを入れると甘みが際立ちジュースのような味に。

「『アイスコーヒー用の豆を教えてください』とお客様から尋ねられますが、どんなコーヒー豆でも楽しめるんです。まずは通常飲んでいるなじみの豆の粉を倍量ほど使って、濃いめに作り、氷で急冷するアイスコーヒーに挑戦してみてはどうでしょう」(同)

 コーヒーの奥深さをさらに知るべく、続いて向かったのは、東京・新橋にある「UCC上島珈琲」が運営する「UCCコーヒーアカデミー東京校」。コーヒー鑑定士でもある川口雅也さんに、ドリップ式の急冷タイプのアイスコーヒーを作るヒントを聞いた。

「焙煎が深い粉を多めに、お湯少なめに、がポイントです。豆選びも大切です。ロースト(焙煎)は浅煎り、中煎り、深煎りと3種類8段階あるのですが、アイスコーヒーを作る場合、UCCでは7~8段階ぐらいの深煎りをお勧めしています(ホットは4~5段階の中煎り)。挽き方は、中細挽きか細挽きで。アイスの場合は苦みをしっかり出したほうがコーヒーらしさが出ます。抽出後はすぐに冷やすこと。ぬるくなっていく間に酸化しますから、後で飲む場合は水筒などに入れてなるべく密封しましょう」(川口さん)

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