名古屋場所で快進撃をみせた御嶽海 (c)朝日新聞社
名古屋場所で快進撃をみせた御嶽海 (c)朝日新聞社

 大相撲名古屋場所で、関脇御嶽海(25)が初優勝した。

 横綱稀勢の里の8場所連続休場という不名誉な記録更新で幕を開け、4日目に白鵬が、6日目には鶴竜も休場し、3横綱不在だった名古屋場所。さらに、7日目には期待の新大関栃ノ心まで休場し、主役級が中日までにいなくなる異常事態だった。

 御嶽海は初日から11連勝で優勝争いをリード。スポーツマスコミは連日、「長野出身力士の優勝は、優勝制度導入後で初」とあおった。さらに、何とあの伝説の最強力士の雷電が長野出身であり、その優勝から数えれば208年ぶり……などとバリューてんこ盛りで、注目は熱を帯びた。

「名古屋は準地元ですから、ここでは元々、あの遠藤に次ぐ人気ぶりなんですよ。自他ともに認める稽古嫌いなんですが(笑)、天性の相撲勘があって反射神経がいいから本場所になると強いんです」(別の相撲記者)

 名古屋場所の開幕直前、力士たちが願いを書いた短冊を飾り付けたササを紹介する写真で、主役扱いは新大関の栃ノ心、その脇に写ったのが御嶽海だった。上位陣不在の今場所で快進撃を続け、自ら主役に躍り出たのは御嶽海のほうだった。

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