「夫婦はやはり、口をきかなくなってしまったらアウト。もう完全に氷河期から抜け出せなくなってしまいます。そうならないようにするためには、まず『毎日使うワード』くらいは、相手の目を見て言うよう、心がけましょう」

 毎日使うワードとは?

「『おはよう』『行ってらっしゃい』『おかえり』といった、日常の何気ない言葉ですね。特に『ありがとう』はスマホをいじりながら言うのではなく、一瞬でも手を止めて、目を見て言うようにしましょう。きちんと感謝を伝えることは、夫婦間の溝を埋めるのに結構効くんですよ」

 年を重ねるごとに夫婦の性生活というものも寂しくなりがちだが、

「これは、たとえ男性のほうに元気がなくても女性のほうから何とかしたほうがいいんです。ただ、もし夫が妻の誘いを断るのであれば『断り方』に気をつかうことが大切です。せっかく妻から勇気を出して誘っているのですから、それを『疲れているから』の一言で片づけるのはNGです。せめてセクシャルなハグとかキスをして、『悪いけれど明日早いから、土曜日に期待してくれ』等、バーター案を出すなど、妻の心を傷つけない言い方を考えてほしいですね」

 間違っても口にしてはいけないのが、

「『女のくせに』『おまえは淫乱か』『そんなにしたけりゃ外でしてこい』です。これは冗談半分でも、夫が妻に言う言葉ではありません」

 逆に女性のほうも、夫の誘いを断るときに言ってはならない言葉がある。

「『どうせ最後までできないでしょ』です。でも男性だってこんな言い方をされれば気持ちも萎えてしまいますよ」

 女性も相手の性欲を「承認」することが大切だ。

「そして性交をしないなら、セクシャルなタッチで相手を満足させる等、少しは相手に気遣いを見せて。相手を今でも『男性として』『女性として』リスペクトしている、大事に思っているという気持ちは、やはり夫婦の根幹として重要なのです」

(赤根千鶴子)

週刊朝日 2018年7月27日号より抜粋