著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回は女優・高畑淳子さんの「中国料理 歓(ファン)」の「中華ちまき」だ。
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舞台に立ってもう40年になります。本格的な役をいただいたのは30歳を過ぎたあたりから。それまではカエルなども演じていたんですよ(笑)。
お芝居は大声で泣いたり、笑ったり、怒ったり……とにかくエネルギーを使います。長丁場の公演は、食事をしっかりとらないと体がもちません。
このちまきは、今から数年前、ある役者さんが公演中に差し入れしてくださって以来、大好物になりました。大きな発泡スチロールの箱がドーンと届いて、何だろう? と思ってフタを開けたら、湯気の中からたくさんの中華ちまきがあらわれて。ほっかほかで、竹の皮に包まれているので何とも言えずいい香りが漂って。食べたらもち米の中に豚の角煮が入っておいしいこと! スイーツなどの差し入れはよくありますが、ちまきは物珍しい。昼夜の公演の合間は小腹が空くんです。だからぱっと食べられて、しかも腹持ちも良くってありがたい。それ以来、私も時々差し入れに使わせていただいています。
(取材・文/今中るみこ)
「中国料理 歓」東京都新宿区新宿6‐7‐3
営業時間:11:30~14:00L.O.、17:00~22:30L.O 祝日16:30~21:30L.O./定休日:日
※週刊朝日 2018年7月27日号