UFO飛来の地で翌朝、起きた怪奇(※写真はイメージ)
UFO飛来の地で翌朝、起きた怪奇(※写真はイメージ)

 SNSで「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれるノンフィクション作家・山田清機さんの『週刊朝日』連載、『大センセイの大魂嘆(だいこんたん)!』。今回のテーマは「位山のUFO」。

*  *  *

 UFOの存在を信じるかどうかは、何かの試金石じゃないかという気がする。

 若かりし頃、車に乗って目的地を定めない旅によく出かけた。行き先表示板が現れる度に、気になる地名の方向にハンドルを切る。宿は予約できないから、飛び込みで泊めてもらうか、車中泊をするのである。

 そんな行き当たりばったりの旅をしていて、岐阜の山中に迷い込んでしまったことがあった。真っ暗な山の中で路肩に車を止めて寝るのは怖い。宿を探して日暮れの山道を走り回っていると、道端に「○×自然の家」という看板が見えた。

 看板の案内に従って走ると、谷間(たにあい)の小さな村の小学校にたどり着いた。玄関の突き当たりに受付があって、老人が座っていた。廃校を宿泊施設として再利用しているらしい。

著者プロフィールを見る
山田清機

山田清機

山田清機(やまだ・せいき)/ノンフィクション作家。1963年生まれ。早稲田大学卒業。鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。著書に『東京タクシードライバー』(第13回新潮ドキュメント賞候補)、『東京湾岸畸人伝』。SNSでは「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれている

山田清機の記事一覧はこちら
次のページ