【文豪の湯宿】江戸川乱歩が好きだった部屋も レトロ漂う宿 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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【文豪の湯宿】江戸川乱歩が好きだった部屋も レトロ漂う宿

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鈴木裕也週刊朝日
江戸川乱歩のイメージにもマッチする大正レトロな雰囲気が漂う縁側。乱歩が残した書や絵は、残念ながら仲田屋時代に紛失した

江戸川乱歩のイメージにもマッチする大正レトロな雰囲気が漂う縁側。乱歩が残した書や絵は、残念ながら仲田屋時代に紛失した

乱歩宿泊当時の雰囲気を残した「桜(205号室)」

乱歩宿泊当時の雰囲気を残した「桜(205号室)」

 文豪たちの作品に登場する温泉宿を訪ねる連載「文豪の湯宿」。今回は「江戸川乱歩」の「湯の宿 花小道」(静岡県・伊豆修善寺温泉)だ。

【乱歩宿泊当時の雰囲気を残した客室の写真はこちら】

*  *  *
〈大正十四年に専業作家になってから現在まで満三十一年余だが、そのうち十七年休筆していたのだから、正味十四年余りしか働いていない勘定になる。書いているより休んでいる方が多かったのである〉(「私の履歴書」昭和31年)

 実際、江戸川乱歩には休筆期間が何度もある。例えば、昭和7年には執筆に行き詰まり、約1年半にわたり休筆、上諏訪、箱根などの温泉地を放浪。以降も休筆でエネルギーを蓄え、執筆を再開する繰り返しだった。

 そんな乱歩が定宿にしていたのが修善寺の老舗、仲田屋旅館。桂川沿いの木造3階建て、「桜(205号室)」がお気に入りだった。木の温もりがある大正モダンな旅館として、多くの文化人が利用したが、経営が悪化。平成16年に新たな経営者のもとで、「花小道」として再出発した。

 昭和11年からスタートした“少年もの”シリーズ第1作『怪人二十面相』でも、乱歩は修善寺を舞台にしている。乱歩が愛した部屋は、床がフローリングに変わったが、昔と同じレトロな雰囲気は保たれ、乱歩を癒やしたに違いない、桂川の流れる音や湯も昔のままだ。

(文/本誌・鈴木裕也)

■湯の宿 花小道(ゆのやど はなこみち)
静岡県伊豆市修善寺3465‐1

週刊朝日  2018年7月27日号


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