(c)小檜山賢二
(c)小檜山賢二

 昆虫は、その種の数がまだわかっておらず、現在、世界では約100万種、日本では約3万種が記録されている。そのなかには、なんでこんな形なの? とか、もっと別の名前をつけてあげればよかったのに、というものもいる。そんな、残念だけど、愛おしい昆虫たちを紹介する。

【フォトギャラリー】ざんねんだけど愛おしい! 昆虫大集合!

 日本に、昆虫の夏がやってきた。幼い頃、トンボやバッタを追いかけ、昆虫採集をした人も多いだろう。原始的でありながら、未来を感じさせるフォルムに、カッコよさを感じたものだ。

 しかし、私たちが夢中になったカブトムシやクワガタだけが昆虫ではない。あまりカッコよくなかったり、変わった名前だったり、“残念”な昆虫も多くいる。

「ゴミムシダマシという昆虫の仲間がいます。多様性に富んだ魅力的な虫たちです。しかし、ゴミムシという残念な名前の虫に似ているというので、ダマシが加わるという、二重に残念な名前のためか、関心を示す人がごく少数なのが残念」とは慶応義塾大学名誉教授の小檜山賢二さん。

「驚くような形や色、どんなところでも生きていける多様性が昆虫の魅力です。これは気の遠くなるような長い時間をかけて環境に合わせて変化した結果です。そして今も変化しているはずです、多分」と続ける。

 そのスタイルは、実はとても合理的なのかもしれない。

 残念、でも愛らしい昆虫には特別展「昆虫」(10月8日まで:東京・国立科学博物館で開催)で出会える。

■変な形でざんねん!?
動きにくくない? あまりカッコよくない!? だけど、合理的な形かもしれない

【クヌギシギゾウムシ】
学名:Curculio robustus
コウチュウ目ゾウムシ科の昆虫で、日本の本州以南に生息している。体長1センチほどでクヌギの木に集まる。長い口は種子に刺し養分を吸うためだが、それ以上に卵を種子の中に産み付ける役割が大きい。しかし、種子から口が抜けなくなるかわいそうなゾウムシもいる。もし生まれ変わってゾウムシになったら、産卵の際は注意が必要だ

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