「解凍はパッケージの裏にある表示通りにします。ラップをかける、かけないとか、解凍時間や温度などいろんなパターンがあります。基本的には上からおすすめ順に書かれています」(日本冷凍食品協会の三浦佳子・広報部長)

 表示通りにやって、もしもまだ冷たければ、10秒程度のこまめな時間追加で温めよう。

「電子レンジのオートボタンは使わないほうがいいでしょう。皿に均等に食材を並べるのも基本です。電子レンジに入れる前に、中途半端に解凍するのはよくありません。凍ったままの調理が鉄則です」(同)

 保存法にも注意しよう。温度変化を起こさないことが大事だ。冷凍庫の開け閉めを最小限にするため、どこに何があるのかを把握しておこう。

 西川さんは、冷凍庫には3割のスペースを空けておくべきだと助言する。

「パンパンに入れると、下に入っているものを取り出すために、上のものを移動させる必要があります。温度変化で食品が傷みやすくなってしまいます。入れる際には余裕を持って、縦に並べて入れると良いでしょう」

 買い物をするときにも温度変化には気を配ろう。保冷バッグを持参するのも有効だ。

「スーパーで冷凍食品を買うときは、まとめ買いがおすすめです。一緒に袋に入れて持ち帰ることで、お互いが冷やし合うからです。買い物カゴに入れるのも最後にして、袋に入れるまでの時間を短くしましょう」(三浦さん)

 冷凍している食品はずっと保存できるようなイメージを持つ人も多いが、賞味期限はある。商品によってまちまちだが、数カ月から1年程度のものが目立つ。賞味期限が切れたからといってすぐに食べられなくなるわけではないが、味わいは落ちる。保存状態によっては早く劣化する恐れもある。できるだけ古いものから順番に食べる習慣をつけよう。

 冷凍庫にいろんな商品を入れておけば、食卓は豊かになる。いざというときは、缶詰と同じように防災用の備蓄にもなる。夏が本格化するこれからが、冷凍食品をまとめ買いするチャンスだ。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日 2018年7月20日号より抜粋