(c)Universal Pictures 
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 映画「ジュラシック・パーク」が公開されたのは、1993年。CGを駆使した映像に、度肝を抜かされた観客も多かった。このたび最新作「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(公開中)を撮ったJ・A・バヨナ監督も、そのひとりだ。

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 バヨナ監督が、当時の衝撃を語る。

「私はもともとスピルバーグ監督のファンでしたし、原作を書いたマイケル・クライトンのファンでもありました。この2人の才能が結集した作品ですから観に行ったんですけど、恐竜が本物みたいに動いていることにビックリし、そのリアルさがとても強く心に残りました」

 映像技術の素晴らしさに加え、最先端の学説を反映した恐竜の動きも、あまり恐竜に関心のなかった人々を驚かせた。

 旧来の“常識”では、肉食恐竜はゴジラのように直立歩行する愚鈍な生き物だとされていた。

 ところが「ジュラシック・パーク」では、ティラノサウルスは前傾姿勢でジープを追いかけ猛スピードで突っ走ったし、ヴェロキラプトルは高い知性を持ち集団で狩りをしたのだ。

 それから25年。映像技術も恐竜の研究も格段の進歩を遂げており、「ジュラシック・ワールド/炎の王国」は、その両者を取り入れて作られた。

 映像面ではCGの他に、コンピューター制御のロボット「アニマトロニクス」も多用している。

「この恐竜が本当にいる!というように見えること。それを一番に考えて製作したんです。どちらに重きを置くということではなく、シーンごとにアニマトロニクスとCGの組み合わせを考えながら作りました。ロボットとはいっても操作は人間が行うので、アニマトロニクスの動きはとても自然です。これがすごいなと思ったのは、実際に触れることができることですね。俳優が恐竜に触れられるので、俳優の演技もリアルなものになりました。動きに関しては実在する動物からヒントを得るために動物学者の力を借りましたし、ヴェロキラプトルを手術するシーンでは獣医に助けてもらいました」

 1体のヴェロキラプトルを動かすために、最大で12人もが操作に当たった。そのため手術シーンでは、頭、尾、前脚、後脚はもちろんのこと、呼吸器の動きも精密で自然。監督が追い求めたリアルさを実現できた。

「最新の学説にのっとるため、もちろん古生物学者に協力を要請しました」

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