(撮影/小山幸佑)
(撮影/小山幸佑)
知らないと損をする20の節約法(週刊朝日 2018年7月20日号より)
知らないと損をする20の節約法(週刊朝日 2018年7月20日号より)

 病院で支払う医療費は、きちんと確認していますか? 医療費は“値札”なしの世界。薬局の選び方、無駄な検査と治療など、「医療費の節約法」を教えます。

【知らないと損をする20の節約法はこちら】

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■賢く得する薬局の選び方
 薬局では、「調剤基本料」という料金がかかっている。だがこの価格、薬局の種類によって異なり、24~123円(以下、すべて3割負担の額)まで幅がある。

 薬局の種類は大きく分けて、病院の中にある「院内薬局」と外にある「院外薬局」だ。さらに院外薬局には、病院の敷地内にあるが病院が経営していない「門内薬局」と、病院の目の前にありその病院からの処方せんの受付率が高い「門前薬局」、それ以外の街中にある「一般薬局」がある。

 その中で最も安いのは、院内薬局で、調剤基本料は24円だ。院外薬局では調剤基本料のほかにもさまざまな加算がつくため、院内薬局が断トツで安い。だが現在、医薬分業が進んだことで院内薬局は約3割にも満たないという。

●異なる調剤基本料の謎
 では、多くの人が利用する院外薬局はどうだろう。最も安いのは、門内薬局の30円。次に安いのは、門前薬局の75円だ。医療費のしくみに詳しい、高崎健康福祉大学健康福祉学部医療情報学科准教授の木村憲洋さんはこう話す。

「今年度診療報酬改定で、門前薬局の中でも大手チェーン薬局がさらに安くなりました。グループ全体で処方せん回数が多いほど点数が引き下げられたのです」

 具体的には、処方せん受け付け回数が4万回を超える場合は60円、さらに40万回を超えると45円になる。

 最も調剤基本料が高いのは、特定の病院からの処方せん集中率が低い一般薬局で、123円かかる。料金だけを比較すると、より病院の近くにある薬局や規模の大きい薬局が安いということになる。

 ただし、薬局の使い方にもコツがある。病院ごとに近くの薬局に行くと、複数の薬局で薬が処方される。こうなると薬の管理が徹底されず、薬の重複に気づかないことがある。余分な薬をもらっていれば当然、医療費の無駄になる。こうした事態を防ぐには、「かかりつけ薬局」を決めて一元管理することだ。

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