性善説を説くつもりはないが、体のどこも悪くないのに出場を辞退する選手はいないと信じる。投手の登板間隔に関しても、前半戦最終戦に先発した投手は2戦目に回るなどの補足規定を設ければいいのでは、とも考える。何十日も投げていない投手、そして脳振盪の後遺症が心配される野手がいる。いま一度、しっかりと規定の在り方を考えないと、選手、そして各球団にとって、球宴開催に頭を悩ませることになってしまう。

 毎年のように議論が出る案件である。昨年は投手で選出されながら投手として出場できない大谷翔平(当時日本ハム)に対し、野手で出場できるようルールを策定した。わずか数日でコンセンサスを取った日本野球機構(NPB)と12球団は素晴らしかった。今度は出場規定、罰則規定の在り方も議論してほしいと思う。ファンも中途半端なプレーは願ってはいないと思うから。

週刊朝日 2018年7月20日号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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