ATMは“コストの塊” 手数料で損しない銀行とは? (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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ATMは“コストの塊” 手数料で損しない銀行とは?

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浅井秀樹週刊朝日
イオングループのキャッシュレス化に関する記者会見 (c)朝日新聞社

イオングループのキャッシュレス化に関する記者会見 (c)朝日新聞社

自行のATMか特定提携先ATMを使った場合。新生銀行は10月7日から新生プラチナと新生ゴールド以外は1回108円。公表資料をもとに編集部作成

自行のATMか特定提携先ATMを使った場合。新生銀行は10月7日から新生プラチナと新生ゴールド以外は1回108円。公表資料をもとに編集部作成

主な銀行のATM設置台数

主な銀行のATM設置台数

CD・ATMによる支払金額

CD・ATMによる支払金額

「新興銀行は、いつでも預金を引き出せて手数料がかからず便利。金利面でもメリットがあり、普通預金の金利は、メガバンクが軒並み0.001%に対し、ネットバンクは0.02%が基本。条件を満たせば、0.1%の銀行もある」

 新興銀行は、本業との相乗効果を強みとする。

 流通系のイオン銀行は、全国のイオンモールやミニストップなどに6千台以上のATMを置く。引き出し手数料は常に無料。入出金だけでなく、電子マネー「ワオン」のチャージやポイント交換もできる。イオングループのビジネス展開に必要なインフラだ。

 イオン銀行のATMを運営するのは、イオンフィナンシャルサービス。加盟店手数料が入るカードショッピングやカードキャッシングが収益の柱で、最近は住宅ローンの扱いも増えた。

 セブン銀行は、セブン-イレブンやイトーヨーカドーなど全国各地の店舗に2万4千台余りのATMを設置。ATM網の厚みは、ゆうちょ銀行に迫る。顧客は店舗で買い物するついでに、お金をおろせる。

 セブン銀行の個人口座数は、3月末で182万7千。6年間でほぼ倍増し、10年間で3倍以上に増えた。引き出し手数料は全日、朝7時から夜7時まで無料。収益の9割以上は、提携先の他の銀行がセブン銀行に対して支払う手数料が占めている。

 ネット系の銀行は店舗やATMを持たず、顧客は提携先ATMを使う。住宅ローンの申し込みや審査などの各種手続きもネット上での処理が多い。伝統的な銀行のように、高給の行員や店舗維持費が不要なため、コスト競争力が高い。

 住信SBIネット銀行は、顧客の利用状況に応じて提携先ATMの引き出し手数料が4段階に分かれる。ランクごとに、月2~15回手数料無料。収益源は業界最低水準の金利の住宅ローンなどだ。住宅ローン取扱額は2012年3月に1兆円超だったが、今は4.3兆円を上回る。有力地銀並みに拡大し、大手行関係者も一目置く存在になった。

 ローン審査では、AI(人工知能)の活用にいち早く取り組む。口座数は3月末で321万口座に拡大し、この9年間で8倍近くに膨らんだ。

 ネット系のソニー銀行も自前のATMがない。セブン銀行とイオン銀行のATMならば、引き出し手数料が無料。ゆうちょ銀行やローソンなどのATMは、月4回無料。収益の柱は住宅ローンや外貨預金だ。口座数は3月末で135万口座と、5年間で47%増えた。

 新興銀行は預金通帳がなく、ATMで通帳記入などの余分なコストがかからないことも強みになる。また、国内隅々まで多くの店舗網を持つゆうちょ銀行も、自行のATMから預金を引き出す際の手数料が常に無料で、便利な存在だ。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日 2018年7月13日号


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