最近教えてもらったのですが、RPGの代表ともいえる「ドラゴンクエスト」には、あるこだわりが隠されているとのこと。何人かのキャラに話しかけることで、「この街の橋が壊れて困っている」「西の塔にはモンスターが出るよ」「あの橋は鉄の板でできていたらしい」「モンスターは鉄の道具を集めるのが趣味なんだって」というようにバラバラに散らばった情報をかき集め、そこから「橋を直すには塔のボスを倒す必要があるんだな」と、自分で考えるように設定しているのだそうです。たった1人のキャラが、「橋を直したいから西の塔にいってお化けから鉄の板をとってきてほしい」と丁寧に説明してくれることなんて絶対にありません。さらに、三つの岩を上手に池に落とさないと部屋に入れなかったり、滑る床をどの方向に動けばいいのか選んだり、頭を使わないと移動できない場所も多々あります。

■頭を使う必要がほとんどない「どうぶつの森」

 私が好きなRPG「ロマンシング サ・ガ」も非常に有名なシリーズでおススメです。特徴的なのは、主人公が複数人の中から選べるという斬新な設定で、その上イベントを進める順番も好きなように選べ、町の人の質問に対する受け答えによっては、仲間にできるキャラが変わったり、試練がクリアできなくなったりしてきます。なんでもないイベントが、後々、別のイベントにつながっているのが判明して、クリアが可能になるなんてこともありました。裏設定も多く、徐々にイベントの前後関係や人間関係がつながってくるので、マルチタスクをこなす能力も鍛えられるゲームです。

 ただ、最近のゲームは簡単になりすぎて「考える必要がない」ものも増えているのは事実です。たとえば、材料を集めて自分のキャンプ場をつくっていくゲーム「どうぶつの森ポケットキャンプ」、略して「ポケ森」は、スマートフォンでできる手軽さもあわさり大流行しました。確かに、動物たちがほのぼのしていてものすごく可愛く、友達と通信できる要素もあり、ヒットするのはわかります。でも、鳥がど直球で「リンゴがほしい」などとお願いしてきて、地図を見るとあからさまにリンゴが落ちている森が見え、リンゴを渡すとキャンプ場をつくるための材料をくれる、というシステムなので、自分で考える余地がまったくというほどありません。頭を使う必要がほとんどないのです。

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