「劇中に、アイドル時代の、それぞれのメンバーのキャッチコピーが出てくるんです。そのときも、楽屋で、『せっかくなら、キャッチコピー作ろうよ!』って共演者のみんなと盛り上がって……。アイドル役は、思いのほか楽しめました(笑)」
この映画がきっかけで、共演した猫を引き取り、家で飼い始めた。
「動物は大好きなんです。どちらかというと犬派で、猫は接し方がわからなかったんです。作品に入ってから、初めて直に触れ合うことで、ちょっとずつ距離を縮めていきました。今は、家でもともと飼っていた犬と、今回引き取った猫と一緒に暮らしています。私ですか? 性格は猫でしょうね、完全に(笑)。仕事ではチームプレーが大事なので、犬のようにいたいと思っていますが、プライベートでは自由気ままだし、呼ばれても、気が向かないとまず行かないほうなので(笑)」
映画を通して出会い、新しく家族に加わった猫のこと、共演者のこと、監督のことなどを語るときの、彼女の口調はとても穏やかで優しい。
「映画の中で沙織は、猫によって気づかされるんです。誰にとっても人生は思い通りに進むものではない。でも、人と自分を比べずに、日常のささやかなことに感動できれば、身近にある大切なものに気づくことができれば、誰もがハッピーに生きられるんだってことを」
(取材・文/菊地陽子)
※週刊朝日 2018年6月29日号