田原総一朗「米朝『ディール』で費用負担迫られる安倍首相」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「米朝『ディール』で費用負担迫られる安倍首相」

連載「ギロン堂」

田原総一朗週刊朝日#田原総一朗
田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

トランプ氏は、北朝鮮の非核化に、どの時点で決着をつけようとしているのか(※写真はイメージ)

トランプ氏は、北朝鮮の非核化に、どの時点で決着をつけようとしているのか(※写真はイメージ)

 トランプ氏が北朝鮮首脳との会談に応じたのは、「北朝鮮を非核化させること」が、いま彼の頭の中のほとんどを占めている、秋の上下両院の中間選挙で勝つための切り札になる、と確信したためであった。

 しかし、会談の結果はトランプ氏優位とはなっていない。彼は会談をディールだと唱えている。ディールは勝つか負けるかしかない。秋の選挙までに、トランプ氏は北朝鮮をどうやって非核化させるつもりなのか。

 そして、日本の安倍首相にとって何より重要なのは、北朝鮮による拉致問題である。安倍首相は米朝会談の直前に、わざわざトランプ氏と会って、拉致問題の提起を強く申し入れた。トランプ氏は拉致問題を議題にはしたようだが、はたして金正恩氏はどのように捉えたのか。

 安倍首相は、拉致問題については自分が直接金正恩氏と会談して解決したい、と語っている。

 ところが、トランプ氏は北朝鮮の非核化作業のための費用を、韓国と日本が負担すべきだ、と述べている。

 安倍首相は、拉致問題解決は非核化の後であり、拉致問題が解決しないかぎり北朝鮮への資金提供はしない、と強調しているが、非核化作業の費用負担となると、拉致問題の解決以前ということになる。トランプ氏から「負担せよ」と強く求められたとき、安倍首相は何と答えるのか。

 安倍首相は元々、米朝首脳会談に反対だったのである。トランプ氏に100%同意するという姿勢が問われる局面が生じるのではないか。

週刊朝日 2018年6月29日号


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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