美容オイルは進化しており、保湿にも日焼け予防にも万能だ。今は男性も紫外線対策をする時代。「日焼けしたくない」と考える男性は、年齢を重ねるほど増える傾向にある。男性化粧品ブランド「バルクオム」の調査によると、日焼けを「できるだけしたくない」「絶対したくない」と考える男性は、20代59%、30代73%、40代は76%だった。

 紫外線を浴びた肌は、長い年月をかけてシミができる。人生100年時代。50歳からでも遅くはない。シミだらけのおじいちゃんにならぬよう、妻が夫の紫外線対策にも気を配りたい。

 冒頭で紹介した美容男子は、実はまだ42歳。愛用ブランドは「フェース」。容器が女性っぽくないのがポイントなのだとか。

 男性の皮膚用化粧品の出荷額はここ数年、200億円前後が続く。05年の150億円足らずから大きく伸びた(経済産業省「生産動態統計」)。

 4年前には、アラフォー男性のためのスキンケアブランド「クワトロボタニコ」が誕生した。「枯れない男の肌メンテ」をうたい、肌の乾燥や皮脂のテカリ対策ができる。ビルベリー葉エキスなど四つの植物成分を配合。洗顔やひげそり後に使える泡タイプの洗顔料や肌にハリと弾力を与えるクリーム、さらに「日本初」というコウジ酸配合のシミケア薬用美容液など、アイテム数も豊富。男性も美容液でスペシャルケアし、美肌を保つ時代! 女性も、うかうかしていられない。

 化粧品メーカーのオルビスは、メンズスキンケアブランド「ミスター」を1年前に発売した。当初は妻らが夫の代わりに購入する需要をねらっていたが、実際には、男性が自ら商品を購入する傾向があったという。

「これまでの中心ターゲットは、俗に『美活男子』と呼ばれる、“ステータス向上欲の高い男性たち”。ブランドやアイテム数も限られていました。しかし、近年は整髪やひげそりの延長として、最低限の身だしなみマインドが高まっています。それとともに、一般のビジネスマンの間でも、エチケットやたしなみとしてスキンケアが徐々に定着しています」(オルビス社)

 そう。男性にとって、美容は“エチケット”なのだ。

 先に紹介した大塚製薬の調査では、男性が取り組む肌ケアのトップは「化粧水をつける」だった。

 鼻毛が出ておらず、肩にフケも落ちておらず、口臭もなく、歯はホワイトニングケアで、輝く白色。肌はくすんでおらず、脂ぎってもおらず、たるみもなく、もっちり。そんな容姿で人と会うことができれば、相手に与える印象だけでなく、自信もアップするはず。

 清潔感いっぱいで、自信に満ちあふれた輝く男性。そんな夫にしませんか。妻の力で。(本誌・大崎百紀)

★男性が取り組む肌の手入れ方法
【1】(顔用の)化粧水をつける
【2】洗顔料を使う
【3】顔をこまめに洗う
【4】日焼け止めを塗る
【5】シェービング剤をつける
【6】(顔用の)乳液をつける
【7】こまめにシャワーや風呂に入る
【8】アフターシェービングローションをつける
【9】自分専用シャンプーを使う
【10】(顔用の)クリームをつける
【11】頭皮マッサージをする
【12】スカルプケア用シャンプーを使う
【13】洗顔シートを使う
【14】汗拭きシートを使う
【15】あぶらとり紙を使う
※大塚製薬の報道資料から作成。20~60代男性500人に聞いた意識調査で、複数回答の上位

週刊朝日  2018年6月22日号