自由診療では近年、日本発の新たな光治療である赤色LEDやアメリカで人気の低出力レーザーによる育毛治療もあります。低出力レーザー治療は海外での研究成果が多くあり、その効果も認められているといいます。ウイッグ(かつら)もQOL(生活の質)が上がるため、女性の薄毛には有効です。

「ウイッグを着けることで薄毛の方でも人目が気にならなくなって気持ちが楽になる方も多いです。ウイッグで抜け毛が進行することもないのでお勧めですね」(植木医師)

■血行不良による薄毛は、ストレスの解消で改善する

 女性の薄毛にも兆候はあるのでしょうか。植木医師によると、髪の根元が細くなってきたり、女性型脱毛症の場合は短い抜け毛が増えてきたりしたら要注意だといいます。

 一日100本以下の抜け毛は正常な範囲ですが、それ以上になると洗髪時や枕についた毛などの量の異変に気づくのでは、と植木医師は話します。薄毛のなりはじめに頭皮の痛み、つっぱり感などの違和感の訴えも多くあります。

「痛みやつっぱり感は頭皮の血行不良。ストレスフルな生活を見直すことで体の血流が良くなると徐々に解消され、薄毛も気にならなくなっていく方も多いです」(植木医師)

 女性の薄毛治療では、外用薬と併せて、植木医師のお勧めはやはり生活改善。ゆっくりと入浴をして血行を改善、たっぷり眠って睡眠不足を解消。女性にとくに不足しがちなたんぱく質、鉄、亜鉛を含む栄養バランスのよい食事をしっかりとることです。カフェインはとりすぎではいけません。そして髪のことで必要以上に悩みすぎない……。女性の薄毛治療はこうした心身のケアも大切な薬となるようです。(文/石川美香子)