午前8時には気に入った社員と朝食を食べ、午前10時には自宅に帰るという超朝型の生活を続けた。

「午前3時や午前5時に社長から電話がかかってきて、困ることもありました。『おはようございます』『ありがとうございます』が口ぐせでした」(同)

 一時は、自宅のある和歌山県内の高額納税者の常連だった。

「社長の財産が本当に50億円あるか、ちょっとわからない。金貸しで差し押さえた不動産とかも数多くあります。そういえば、今年4月、テレビでプロ野球中継を観ながら100億円を出すからプロ野球球団を買えないかと、知人に相談を持ちかけていた。単なるハッタリかもしれませんけど…」(同)

 脳梗塞を2度やり、毎月のように和歌山から東京に飛行機で来て、有名病院で診察や検診を受け、健康には気をつけていた。

「障害者手帳も持っていると聞いた。サプリメントもいろいろ飲んでいました。それも『高いものを薬局で買ってこい』と。成金なので高いものは効果があると信じ込んでいた」(同)

 そんな野崎さんからなぜ、覚せい剤が検出されたのだろか。

「社長はビール、コーラ、栄養ドリンクを愛飲していた。そういう飲み物に何者かに入れられたのではないか」「サプリなどに紛れて飲まされたのではないか」など様々な憶測と推理を呼んでいる。

 密室の出来事だけに、捜査は難航し、長期化するという見方も出ている。(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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