在りし日のイブちゃんと野崎さん
在りし日のイブちゃんと野崎さん
野崎さん夫婦
野崎さん夫婦

「紀州のドン・ファン」こと和歌山県田辺市の資産家、野崎幸助さん(77)が急性覚せい剤中毒で”怪死”した事件は、ミステリー小説さながらの展開となっている。和歌山県警は同じく5月に“怪死”した野崎さんの愛犬イブの死因を調べるため、庭に埋葬された死骸を押収し、体内に覚せい剤成分がないかを調べているのだ。

【事情聴取された妻と、亡くなった野崎さん】

「造園業者がきちんと地中、1、2mのとこに穴を掘って卒塔婆(そとうば)まで建て、土葬していた。犬の遺骸が入った箱を押収したが、きちんと検証できる状態だ。犬から覚せい剤の成分が検出できるか、1週間もすればわかるだろう。仮説だが、犬で覚せい剤を試したのではないか。野崎さんの遺体からは高濃度の覚せい剤が検出されている。1gぐらいの量を飲まされ、その数時間に中毒症状となったはず。犬からも出れば、野崎さんと犬、両方にかかわれることのできる人間と絞り込める」(捜査関係者)

 また、野崎さんの自宅には十数台の防犯カメラが設置されており、外部から侵入した形跡は見当たらないという。和歌山県警は野崎さんの周辺者の中に覚せい剤とかかわりがあった人間がいないか、携帯電話の履歴などで徹底的に調べている。

 野崎さんの愛犬、イブが怪死したのは野崎さん自身の死の18日前の5月6日だ。野崎さんの会社の従業員はこう話す。

「イブは2番目の奥さんが飼った犬です。東京のクラブのホステスで和歌山にやってきた。クリスマスイブに届いた犬なので、イブと名付けました。社長はもとは犬が嫌いな人でした。けど、いつしかイブを可愛がるようになり、ミニチュアダックスフンドも飼い始めた。けど、ダックスフンドは早く死んでしまった。2番目の奥さんは社長の浮気が原因で出て行ったのですが、イブは渡さなかった。家族のように思い、車で出かける時もイブを助手席に座らせて、『イブちゃん』と嬉しそうにしてたのが今も思い出される。これまで、社長は女性に何度も騙されているのですが、『犬はウソをつかない』と言っていた」

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この従業員によると……