と、ここまで書いて、ふと不安になった。もしかすると「急行」としか放送しないのには、何か深い訳があるのかもしれない……。

 そこで大センセイ、東急電鉄に問い合わせの電話を入れたんである。すると、とても感じのいい女性が電話口に出た。

「ご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。早急に担当部署に伝えますね」

 これで車内放送が変わっていたら、思わず目黒線を好きになっちゃいそうだ。

週刊朝日 2018年6月15日号

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山田清機

山田清機

山田清機(やまだ・せいき)/ノンフィクション作家。1963年生まれ。早稲田大学卒業。鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立。著書に『東京タクシードライバー』(第13回新潮ドキュメント賞候補)、『東京湾岸畸人伝』。SNSでは「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれている

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