なんて早合点して反対側のホームに入ってきた急行に飛び乗ってしまうと、アウトなのだ。なぜならこの急行の大半は、(2)本当は三田線である目黒線なのだ。つまり、行き先は浦和美園ではなく、西高島平なんである!

 大センセイ、この車内放送のせいで、何度、取材に遅れそうになったかわからない。なぜ、

「急行の待ち合わせをしますが、反対側のホームに来るのは、表向きは目黒線ですが正体は三田線の急行なので、いまあなたが乗っている表向きは目黒線だけど正体は南北線である電車とは行き先が異なります。乗り換えは、よくよく考えてからにしましょう」

 といった注意喚起をしないのか。かつて“強盗慶太”の異名をとった東急電鉄の創業者、五島慶太。その末裔たちは、乗り間違いに気づいた大センセイが閉まりかけたドアに猛ダッシュしてぶざまに挟まって、女子高生たちから、

「オヤジ、ダサっ」

 と笑われたりしたって、どうでもいいと思ってるんじゃないのか?

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