長瀬:あんまり考えたことはないですけど、今には今でしかできない役があるのかなと思ったりしますね。僕はけっこうコメディー好きなんですよ。だから、他で出会った作品で、どうしてこういうのを映像でやらないんだろうとか、このおもしろい作品、映画にならないかなとか、たまに思うこともあるし。

林:それは小説を読んで?

長瀬:とかですね。

林:うれしいな、本をよく読んでくださってるんですね。自分で企画を持っていくことはないんですか。

長瀬:こういうことやってみたいな、なんて話をすることはありますけどね。僕はもともとふつうじゃない人なんで、「その企画、いい!」ってなるとも思ってないですし。

林:なんで、なんで? 長瀬さんみたいな人気者なら、映画会社だってちゃんと考えるんじゃないですか。

長瀬:いやいや、そんなにうまくいかないのがこの社会なんじゃないですかね。メッセージだけではものづくりできない時代だってこともわかっていますからね。自分が伝えたいメッセージだとか、そういうものは口で言っちゃえば話が早いんですけど、言わないからお芝居でやって、見てる人に「ん? もしかしてそういうことなのか?」って感じさせる。それがいいんじゃないかなと勝手に思ってます。

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