衣類スチーマーには、「思ったほどシワが伸びなかった」(30歳男性)など、20~30代の不満が目立った。一人暮らしの若い世代が、アイロンより便利だと期待して買ったようだ。シワをうまく伸ばすには、衣類を引っ張りながら滑らせるようにスチームを当てる必要がある。ちょっとしたコツをつかめば、使える家電に早変わりするのかもしれない。

 話題の家電といえばロボット掃除機がある。大手電機メーカーから様々な機種が出されていて、値段も数千円から10万円以上まで幅広い。ロボット任せで掃除の手間が省けるふれ込みだったが、アンケートの声を見るとそう簡単ではないようだ。

「CMほどゴミがとれない、普通の掃除機のほうが手っ取り早い。だまされた感満載」(55歳女性)

「掃除する前に片付けが必要」(61歳女性)

「部屋の形が合わず役に立たなかった」(63歳女性)

 藤山さんはロボット掃除機に関してこう評する。

「製品によっても性能の差が大きい。安いモノだと部屋全体を回れずに、途中で止まってしまうことも。自分の部屋の環境でうまく掃除できるのか、考えてから買ったほうがいいでしょう」

 本誌のアンケートに寄せられた主な声をまとめると、やはり健康や食品関係の製品が目立っている。自動照明器やコタツといった、ちょっと変わった意見もあった。それぞれの家庭の使用状況に応じて、「ざんねん」の定義はいろいろあるようだ。

 スマホの普及などによって役割を終えた製品もある。エフエム東京では世界に先駆けてFM文字多重放送のサービスを、「見えるラジオ」という愛称で1994年に始めた。その後NHKなどでも放送されていたが、スマホやネットの普及で利用者は減少。サービスは段階的に終了し、エフエム東京でも14年に終えた。受信機は複数あったが、今ではラジオが聞けるだけで文字は見られない。機能の一部を失ったという点では、ざんねんなのかもしれない。

 新しい技術やサービスの発達で、活躍の場を失う製品はほかにもある。レコードやカセットテープの再生機器が、押し入れに眠っている家庭は多い。こうしたものは、たまに使ってみると懐かしい思い出がよみがえってくる。

 ここまでいろんなざんねんな家電を見てきた。使わずに置き場に困るなら、思い切って処分を検討しよう。ゴミとして捨てるのが普通だが、ネットで出品すればタダで引き取ってもらうこともできる。

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