所は他にも、樹齢500年の生プーアール茶、超高級な和牛ビーフジャーキーなど素人にはなかなか手の出せないモノから、健康グッズ、玩具まで、文字通り10点を紹介したのだが、中でも、もっとも安価で手に入れやすいのが例のクラッカーだった。

「無印良品」の食品は、店舗に行かずとも、「ファミリーマート」などで買えるモノも少なくない。

 しかし、特に宣伝もしていないので、何かのタイミングで食べてハマる以外には、なかなか手にとるチャンスがないのではないか。

 それが所ジョージに背中を押されただけでなく、マツコ・デラックス、磯野貴理子、島崎和歌子らが、その意外な美味しさを絶賛。一袋120円というのは、そのまま個々の楽屋に入れたとしても大した出費にならないうえ、「所さんの」というネタが乗っかっているので「あぁ、あれね」と本番前のトークも広がる。

「無印良品」だけあって、形を揃える工程を省き、表裏の区別なく使っていることが安価の秘密。でも“後引き”間違いナシな、どこか昔懐かしいジャムクラッカーは、楽屋菓子の新たな流行りモノなのである。

週刊朝日  2018年6月8日号

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山田美保子

山田美保子

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

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