古村比呂さん(右)と日本対がん協会会長の垣添忠生さん(撮影/写真部・小原雄輝)
古村比呂さん(右)と日本対がん協会会長の垣添忠生さん(撮影/写真部・小原雄輝)

 がんの治療と仕事を両立しながら、将来の夢を描く女優の古村比呂さん。実は2017年11月に再々発し、18年2月に開かれたがんとの共生を掲げるイベント「ネクストリボン」で公表した。日本対がん協会の垣添忠生会長との対談では、これまでを振り返り、がんサバイバーへのメッセージを語った。

*  *  *

垣添:大勢の前で再々発を公表されたのは、かなり勇気を要したと思います。

古村:ネクストリボンの主催者(朝日新聞社、日本対がん協会)の方に、「再々発しても出演してよろしいですか」と確認すると、「古村さんのような方が出てくださることが、ネクストリボンの志です」という言葉をいただいて。今は自分らしく、仕事もしながらがんと向き合っています。

垣添:とてもいい選択ですね。がん発覚からの経過をお話しいただけますか。

古村:最初に子宮頸がんとわかったのが2012年の1月です。子宮を全摘しました。経過観察となりましたが、去年の3月、定期検診で、再発がわかりました。

垣添:どんなお気持ちでしたか?

古村:ちょうど手術から5年の日で、問題がなければ一区切りのはずでした。自覚症状もなく、乾杯する気持ちでいたので、受け入れられなくて……。感情が浮かばないというか、ストーンと自分の気持ちをシャットアウトする感じでした。

垣添:それをどのようにして受け入れたのですか?

古村:「がんというものは、想像しないことばかり起きるんで、受け入れないと前へ進めないな」と考えるようにしました。放射線治療と抗がん剤治療を1カ月ほど受けて無事寛解して、出たかったドラマ「トットちゃん!」の収録も終えました。

垣添:再々発は、もっとショックだったと思います。

古村:昨年11月、定期検診で再々発が見つかりました。もう開き直るしかない、という気持ち。今年1月から抗がん剤治療を始めました。

垣添:日本対がん協会の医師による無料電話相談も利用していただいたとか。

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