室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
(c)小田原ドラゴン
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 いまだに収束しない加計学園問題。作家の室井佑月氏は、安倍晋三首相に注文をつける。

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「米朝会談、この国は蚊帳の外なんじゃないか」

 そう言われれば、

「決して蚊帳の外ではありません」

 と答える。

 つい最近も、南北首脳会談の際、北朝鮮の金正恩委員長が、

「(日本の拉致問題について)韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は、直接言ってこないのか」

 そう韓国の文在寅大統領に言ったことに対し(FNNのスクープ)、フジテレビ系の番組に出演したあの方は、

「直接言ってこないのかということは、金正恩委員長に直接言わないのかということであると思います。我々は北京ルートなどを通じてあらゆる努力をしています」

 と答えた。もはやイミフー。

 北京ルートってFAXを送っている程度なんだと。それって、かなりの迂回じゃ。この場合、直接交渉話をしない意味を、答えるべきでしょう。

 前述の蚊帳の外というのも、ただの例えであって、そうではない明確な理由を述べるべきだし。

 幼稚園生みたいだな。

 でも、あの方をどうしても庇(かば)いたい人たちはいるみたいで。

 5月10日、元首相秘書官である柳瀬唯夫氏の、参考人招致が開かれた。

 むりくりの嘘やごまかし。見ていて、痛々しかったよ。

 なんで、あの方の黒子ともいわれる秘書官が、加計学園の関係者らと3回も面会しているのに、一切、あの方の指示はなく、そして、報告もしなかったと言うんだろう。

 でもって、やっぱり加計学園に特別な計らいをしていないという部分はちっともわからん。逆に、特別な計らいの部分がさらに浮き彫りになった感じだ。

 加計学園理事長=安倍首相の腹心の友ってーのは、もうみんなが知っていること。

 ここまで来たら、あたしは北朝鮮の金正恩委員長とおなじような言葉を言いたい。

「自ら出てきて、きちんと決着つけてください」って。

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室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

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