■日大アメフト部の聞き取りは一度も行われていない

 翌日、私は本人から薬師寺弁護士と二人で詳細な事実の聞き取りをやりました。この日、大学本部から呼び出しがあって、お父さんにはOBからの呼び出しもありましたけれども、これはいずれも断りました。大学なり部からの申し出を断ったのは、この日が初めてであり、今までにその他に断ったことはございません。

 この断る作業は、私の方でやりました。そうしたところ、大学に連絡した私の所に、翌日に事情聴取に来てほしいという申し入れが大学の総務部からありました。翌日5月17日の午前中に、本人とお父さんと私とで伺って、事情聴取に応じました。これが大学側に事情聴取に応じて事実を説明した最初でございます。しかし、これは確認しましたが、「部としての聞き取りではない」ということを明確におっしゃっていました。大学と部は違う団体、組織であるということで、あくまで大学としてお聞きしたいということでした。

 この聞き取りの際に、私とお父さんから、個人としてでも被害選手とそのご家族にぜひ謝罪をしたいと再度申し入れました。これは、止められても、こちらとしては、こちらの判断として行きますよということで申し上げてあります。

 しかし、この5月17日の時点で、関学の方で記者会見が行われました。そこでやっぱり、あくまで監督・コーチへの謝罪を求めるという関学の意向が伝わってきました。それをお聞きしまして、なによりも監督・コーチよりも前に加害選手として、当該選手が謝罪をすべきではないかという判断をしまして、この日の夕方、関学大の窓口のあるディレクターに私の方で連絡を取って謝罪を受け入れていただきたい、あくまで大学とは別に個人として謝罪をしたいということを申し上げました。

 その後、「明日にでも大丈夫ですよ」というご連絡をいただいて、翌日、本人とご両親が大阪に伺って、被害選手とそのご両親、それから後から入られたんですが、関学大チームのディレクターとお会いして、謝罪をさせていただきました。約1時間のお話だったと聞いています。

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日大アメフト部が聞き取りをやらないので、会見を開いた