林:おじいさま、ご健在なんですね。鹿児島の人って西郷さんは大好きだけど、大久保の銅像には卵をぶつけるとか。タクシーの運転手さんも、「西郷さんのお墓の前では快く写真のシャッターを切りますが、大久保の銅像の前では『車の中で待ってますから、勝手に行ってきてください』って言います」って。

瑛太:そうなんですか。

林:でも、大久保がいなかったら明治維新だって、そのあとの新政府だってできなかったんだから、ちょっと可哀想ですよね。

瑛太:僕は今回の「西郷どん」で大久保のイメージを変えられるんじゃないかと期待してるんです。“知的で鋭い”というのが大久保正助のパブリックイメージだと思うんですよ。「翔ぶが如く」(1990年)で鹿賀丈史さんが演じた大久保も、けっこうクールでしたし。

林:実際に大久保は、なかなかの策略家だったみたいですね。島津久光に近づくために碁を習ったりして。

瑛太:でも今回、中園ミホさんの脚本で描かれている青年期の正助は、けっこう純粋なんですね。これから大久保がどんなふうに成長して変わっていくのか。「あんなに純粋な子が……」みたいな部分を、1年通して見ていただけたらと思っているんです。

(構成/本誌・野村美絵)

週刊朝日 2018年5月25日号より抜粋