大谷選手と大前さん。大前さんは定期的に食品やプロテインを送っている
大谷選手と大前さん。大前さんは定期的に食品やプロテインを送っている
調理実習中の大谷選手。大前さんと同行した調理担当者からレクチャーを受けた
調理実習中の大谷選手。大前さんと同行した調理担当者からレクチャーを受けた

「つい最近も、“送ってもらったカレーをかけて、オムカレーにしています”とオムライスの写真が送られてきた。レベルアップしているみたいです」

【写真】調理実習中の大谷選手

 と話すのは、株式会社明治の管理栄養士の大前恵さんだ。写真の送り主は、エンゼルスの大谷翔平選手(23)。大前さんは、日本ハム時代の2016年から、大谷選手の栄養アドバイザーを担当する。アスリートは体が資本。多くの日本人選手を悩ませてきた米国での食生活も大前さんはサポートしている。

 そのかいもあって大谷選手は“二刀流”で地元紙も絶賛し、対戦相手も脱帽するほどの活躍が続く。5月10日、ツインズ戦で第5号本塁打を放ち、6日のマリナーズ戦では、メジャー5度目の登板にして今季3勝目をマークした。

「どのタイミングでどんなものを食べているか、機会を考えて確認しています」

 そう話す大前さんに、二刀流の食の秘訣を聞いた。意外なことに、自主トレ時、外食で大谷選手が通っていたのが、米人気ハンバーガーチェーン「イン・アンド・アウト」。西海岸を中心に約300店舗を展開する大規模ファストフードチェーンだ。ファストフードと聞くと心配になるが、この店は大前さんも太鼓判を押す。

「ハンバーガーは栄養が少ないイメージがありますが、この店ではしっかりと赤身の肉を焼き、野菜もたくさん挟んであったので安心。高タンパク低脂質を守れるバーガーショップとして、足を運んでいたようです」

 ここで大谷選手が選んで食べているのが「プロテイン・スタイル」という、パンの代わりにレタスで肉を挟んだ、炭水化物抜きの健康バーガーだという。

「“これを食べてる”と話していたので、アメリカ入りしたとき、私も確認に行きました」

 大谷選手は、身長193センチ、体重95キロ。160キロを超える直球を生み出すパワーが必要で、摂るべきエネルギーは一般の人の1.5~2倍。1日の摂取カロリーは約3500~4500キロカロリーにも上る。

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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