地元の管理栄養士の伊是名カエさんが、トリプルリスク解消のレシピを考案。たっぷりの野菜とパパイアを使った「パパタコライス」などのメニューをつくった。伊是名さんは「食べすぎず、また、減らしすぎず、3食きちんと食べること」と話す。

 血糖値の急上昇を避ける食べ方として、まず野菜から口にするとよいと言われる。最近は、大豆から食べる「大豆ファースト」も注目だ。『かくれ高血糖が体を壊す』などの著書がある池谷敏郎医師も実践している。

「近年、医学的に“かくれ高血糖”が注目されています。糖尿病予備群の段階では、インスリンが過剰に分泌されることで、働きが鈍るのを補います。このため、急上昇していた血糖値は時間がたてば下がる。健診は空腹時のため、そのときには正常値へと戻っている。血糖値の異常がかくれ、見つけることが難しいのです」

 かくれ高血糖は、「血糖値スパイク」「食後高血糖」とも呼ばれる。健診で明らかな異常がないからといって、「かくれ」状態に気づかず放置すれば、動脈硬化がひそかに進む恐れがある。

 トリプルリスクにどう向き合えばよいか。ダイエット食品や健康補助食品などの販売会社「メタボリック」(東京都渋谷区)の代表で薬剤師の西田和弘さんは、こうアドバイスする。

「三つを同時にケアするのが難しい人は、まずは血糖値のケアから始めてみてはどうでしょうか」

 極端な食事制限で筋肉が落ちると、代謝力が低下する。たんぱく質を十分にとって筋肉を維持し、運動できるカラダをつくる。そのうえで、健康的にやせることが大事だという。

 リスクを学べば、あとはどう行動するか。自分の食生活と運動習慣を、もう一度見直してみませんか。(本誌・大崎百紀)

週刊朝日 2018年5月25日号