安倍首相と麻生財務相(c)朝日新聞社
安倍首相と麻生財務相(c)朝日新聞社

 麻生太郎財務相のセクハラを軽視する“舌禍”騒動が続き、事態が泥沼化している。

 麻生氏はセクハラで処分された福田淳一前事務次官の問題で「セクハラ罪という罪はない」「はめられた可能性は否定できない」など発言。

 11日午前の衆院財務金融委員会で、尾辻かな子氏(立憲民主)が発言を追及したのに対し、麻生氏は「(福田氏がセクハラは)『ない』と言っている以上、『ある』とは言えない」などと強弁。同日午後の質疑で宮本徹氏(共産)が再度、問いただすと、ようやく「撤回させていただく」と答弁が不適切だったことを認めた。

 さらに「不用意な話で、セクハラを妙に軽んじていると指摘を受けた。以後注意したい」と謝罪に追い込まれた。

 麻生氏の一連の発言に対し、財務省の前で「with you」と書かれたプラカードを持った人ら約100人が抗議していた。

 麻生氏がこうして「セクハラを軽視するにはワケがある」と指摘するのは、銀座のクラブ関係者だ。”座って、水だけ出てウン万円”という銀座や六本木の高級クラブに通うのが、麻生氏の趣味でもあり、これまで湯水のごとくカネを費やしてきたという。

「麻生さんは奥さんそっちのけで、クラブに入り浸っていた。そもそもセクハラなんていわれても、認識がないんじゃない」(銀座クラブのママ) 

 自民党重鎮は「麻生氏のクラブ通い、舌禍癖は昔から…」と突き放す。

「本来ならば、とっくに首だけど、吉田茂の孫でセレブの麻生さんは自分だけは聖域、と思っている。プライドが高く、そもそも問題の諸悪の根源は安倍夫妻で、そのばっちりで辞めてたまるかと、逆方向に向かっているが、安倍官邸は負目もあってコントロールできていない。安倍さんはまだまだ3選をあきらめていない。麻生さんさえ、味方につければ、石破茂元幹事長が9月の総裁選に出馬しても勝てると票読みをしている。だが、一連の不祥事で麻生さんが財務相辞任に追い込まれるようなことがあれば、形勢はガラリと変わり、安倍内閣は瓦解するよ」

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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