衆院予算委員会に参考人招致され、答弁する柳瀬唯夫元首相秘書官=5月10日(撮影/西岡千史)
衆院予算委員会に参考人招致され、答弁する柳瀬唯夫元首相秘書官=5月10日(撮影/西岡千史)
衆院予算委員会に参考人招致され、答弁する柳瀬唯夫元首相秘書官=5月10日(撮影/西岡千史)
衆院予算委員会に参考人招致され、答弁する柳瀬唯夫元首相秘書官=5月10日(撮影/西岡千史)
日中歓迎行事に並ぶ柳瀬唯夫氏(左)。中央は中国の李克強首相、右は安倍晋三首相。(c)朝日新聞社
日中歓迎行事に並ぶ柳瀬唯夫氏(左)。中央は中国の李克強首相、右は安倍晋三首相。(c)朝日新聞社

 国会で10日午前、経産省の柳瀬唯夫・経済産業審議官を参考人招致し、加計学園問題についての質疑が行われた。

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 柳瀬氏は当時、首相秘書官だった2015年4月2日、首相官邸で愛媛県、今治市、加計学園職員と面会したという報道について、一貫して「記憶の限り、会ってない」と答えてきた。だが、ここにきて逃げられなくなり、ついに国会で「面談した」と認めた。柳瀬氏は加計学園とは2015年4月2日も含め計3回、官邸で面会したことを明らかにした。愛媛県や今治市の職員の同席については「10人近くの随行者の中にいたかもしれない」などと述べた。

 同年4月2日の面会後に作成された愛媛県の忘備録に残されていた「首相案件」という言葉については、「そもそも私は首相という言葉を使わないので違和感がある。違う形で伝わったのではないか」と否定した。さらに柳瀬氏は加計学園幹部、愛媛県、今治市の職員らとの面会について「(安倍晋三)首相に報告したこともない。話が出た覚えもない」と強調した。

 本誌が昨年7月23日(オンライン版)に柳瀬氏が官邸で愛媛県今治市の職員らと面会していたことをスクープしてから9カ月以上の歳月が経過。ようやくパンドラの箱が空いた。この問題で柳瀬氏を最初に本誌が直撃したのは、同年7月21日。その時の一問一答は以下の通りシドロモドロだった。

――今治市と官邸で面会された事実はあるのか?

柳瀬:すいません、今日ずっと出てまして、ファックスをいただいて。それでね、これ、まったく記憶ないんですよね。すいません、ちょっとね、ごめんちょっと曖昧なんだけど、この時もいろんな人の出入りがあり、会ってたと思うんだけど、これについてはちょっと記憶がないんですね。

――会ってないとはっきり言えますか?

柳瀬:いや、わかんないですね。覚えがちょっとないので。うーん、ちょっとわかんないですね。

――会っていないなら否定してもらった方がはっきりします

柳瀬:いやいや、それはね。どんだけの人と会ってるかわかんないからね。申し訳ないんだけども、すみません。そういうことで。申し訳ございません。

――今治の話にはかかわっていた?

柳瀬:それは仕事として特区の話には色々と仕事で。担当ではありましたからね。成長戦略をやってましたので、特区ができたての頃ですよね、たぶん。すいません、ちょっとちゃんとした記憶がないのでなんとも言いようがないんですけれど。すいません。よろしくお願いいたします。(電話切る)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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