吉田さんは、ユースケ・サンタマリアの怪演が話題の「あなたには帰る家がある」に出演する、木村多江の存在が見逃せないという。

「かなりあくどく策略の見える女。家庭を壊すつもりはないと言いながらも、『名前で呼んで』とか仕掛けまくり。ギョッとする感じに引きつけられます」

 ドラマ評論家・成馬零一さんは、「崖っぷちホテル!」の浜辺美波に注目だ。

「どこか圧を感じるというか、グイグイくるところがいい意味で印象に残る。あざとくならず、普通の人よりちょっとだけボリュームの大きい人がいるみたいな。そんな微妙な過剰さを今回の役にも感じます」

 NHKドラマ「デイジー・ラック」の佐々木希には、女優としての評価を役柄に重ね合わせる楽しさもあるという。

「これまで女優としての評価はあまり高くなかった。奇麗だけど中身のない女の子という、彼女の良さを生かした演出、配置にも注目です」(成馬さん)

「警視庁・捜査一課長」の安達祐実も外せない。

「元五輪選手で広告塔に採用されたが閑職に追いやられている役。それが、内藤剛志さん演じる刑事と出会うことで第二の人生を歩んでいく。内藤さんと安達さんの連続ドラマのレギュラーでの共演は、『家なき子』以来。抜群にうまいので、普通の刑事ドラマなのに、生々しさを感じます」

 ベストヒロインを選びにくい、注目作ぞろいの春ドラマ。女優たちの演技から目が離せない。(本誌・太田サトル)

週刊朝日  2018年5月18日号