しかし、ここで問題発生。なんとこの日、会場に誕生日を迎えたファンが19人もいたのだ。イ・ジュンギは「あれ?」という顔をして笑いつつ、太っ腹にも全員をステージに呼び、ジャンケンで2人に決めると宣言。さらに「集合写真を」との運営側の提案を採用せず、一人ひとりと肩を組み、イ・ジュンギ自らファンのスマホでセルフィーを撮影するというホスピタリティの高さを見せつけた。それだけでも驚くのに、ジャンケンで勝った2人には、なんとイ・ジュンギが身に着けているアクセサリーをはずし、そのままファンにつけてあげたのだ。ちなみにプレゼントは、彼が韓国のマリクレール5月号の撮影をしたときに使ったブレスレットと、沖縄でのグラビア撮影のときに身に着けていたペンダントとあって、会場からは羨望のため息が漏れた。

 一緒に写真を撮ってもらったファンの一人、福岡県の女性(64)は「初めてファンミーティングにきて、こんなサプライズがあって本当にびっくりの連続。誕生日と言われたときは『キター』と思いました。ジュンギは私の息子と同い年。演技も上手で、ファン思いなので最高ですね」と満足げな表情。他の写真を撮ってもらった栃木県の女性(48)は、「ファン歴9年ぐらい、イ・ジュンギさん一筋です。写真は誰にも見せずにとっておいて、こっそり楽しみます」。

 サプライズにたっぷり時間をかけたあとは、本格的なライブに突入。米米CLUBの「君がいるだけで」、SMAPの「世界に一つだけの花」と日本人が大好きなヒットチューンが続いた。カッコよく歌って踊りながら、いろんなポーズを決めたり、カメラに表情を作ったりと、終始エンターテイナーぶりを忘れないイ・ジュンギ。最後に、ビートルズの「Let It Be」でしっとりと締めくくり、会場を後にした。

 静かになった会場。ファンがアンコールをしようとしていると、スポットライトが突然つき、そこにイ・ジュンギの姿が。何かのトラブルで、登場のタイミングが狂ってしまったらしい。「絶好のタイミングで出てこれずすみません」とはにかむイ・ジュンギ。会場にアンコールの演技を求めて笑いにし、トラブルを味方につける余裕が、大物の風格すら感じさせた。「NOW」「Thank you」の2曲が続き、ついにこの日最後の曲「Together」。アップテンポな曲で満面の笑みをたたえながら、歌って踊るジュンギは無邪気そのものだ。曲が終わると、肩で息をしながら、「みなさんの俳優でした!」とサヨナラのあいさつ。「ありがとう」「また会いましょう」「またね」と繰り返し、名残惜しそうに何度かステージを往復して、自然体のまま消えていった。

 興奮冷めやらぬ会場で、ファンに感想を聞くと「来てよかったです。彼はカッコイイ姿とかわいい姿を交互にみせてくれる。セクシー、美しいなど、一人の男性ですべての魅力を持っている」(福岡県女性・49歳)、「『麗』から好きになってハマったけれど、初めてファンミーティングに来られて感激した。低音がすてきなジュンギの声も、生で聞くとピカイチでした」(佐賀県女性・51歳)。

 来日のたびにファンをメロメロにするイ・ジュンギ。前回のファンミーティング「2016 LEE JOON GI SPLENDOR Family Day【完全版】」の模様や出演ドラマなどが「ホームドラマチャンネル」(松竹ブロードキャスティング)の「イ・ジュンギ★プロジェクト」で5月から一挙放送されるというから、今回会場に足を運べなかったファンには見逃せない。

 男らしくて、少年っぽくもあり、色気がたっぷり――。会場のファンらが口をそろえるように、いくつもの魅力を併せ持つイ・ジュンギ。次の来日のときには、どんな表情を見せてくれるのだろうか。 (取材・文=直木詩帆)

※週刊朝日オンライン限定記事