林:「ひよっこ」も脚本家(岡田惠和さん)の熱望ですか。

白石:違います。こちらから押しかけました。岡田さんとは何本も一緒にやっているので、朝ドラをなさるって聞いたとき「やります」って。

林:岡田さんが書かれた「泣くな、はらちゃん」(13年)に出てらっしゃいましたよね。

白石:麻生久美子さんのお母さん役ね。あのとき私の息子役をやったのが菅田将暉君。まだ世に出る前だったんだけど、あるシーンで2階の窓から飛び出していって、私は「ここで2階から?」とびっくりしたんだけど、そういう子なのね(笑)。

林:今、若い俳優さんで可愛がってあげてる子、いるんですか。

白石:可愛がるなんてことは……。共演した若い俳優さん皆さん助けてくださって、仲良くしてくださいます。例えば高畑充希さんとはお若いときにホリプロの偉い方にご紹介いただいてお目にかかったことがあって、そのとき「いつかご一緒できるような役者になります」って言ってくださったの。それで昨年、一緒に「エレクトラ」というギリシャ悲劇の舞台をやらせていただいたんです。

林:そうなんですね。「百物語」が終わったら「いだてん」が待っていて、そのあとはまた舞台ですか?

白石:「イキウメ」という劇団知ってる?

林:知りません。なんか怖そう。

白石:怖いですね(笑)。前川(知大)さんという方が「ゲゲゲの先生へ」という、水木しげるさんへのオマージュみたいな作品を書かれたの。佐々木蔵之介さんと松雪泰子さんとご一緒で、それが10月にあります。

林:楽しそう。このあいだ現場の差し入れについて藤真利子さんに聞いたら、「お菓子なんかよりお弁当がいい。いちばんうれしいのは叙々苑の焼肉弁当よ」って言われたんですが、舞台ではどんなものが喜ばれるんですか。

白石:昼夜の2回公演ってあるでしょう。そのときは主役級の人が代わりばんこにお弁当を出すの。

林:うわっ、大変じゃないですか。

白石:私は安いの出すから大丈夫(笑)。

林:地方にいらしたら、若い人たちと食べに行ったりなさるんですか。

白石:ええ。「百物語」はスタッフさんも団結して作り上げるから、終わったらみんなでドッと繰り出します。だから帰ってくると2キロぐらい体重が増えてる(笑)。

(構成 本誌・野村美絵)

週刊朝日 2018年5月4-11日合併号より抜粋