しかし、ここまで早く状態が上がってくるとは予想もしなかった。まだ100%の状態で腕を振っているわけではないが、キャンプで見た時には、この状態になるのはうまくいって6月くらいかなと思っていた。よほど肩の状態がよいのだろう。このまま元気に投げていってもらいたい。

 予想外といえば、4月18日の西武日本ハム戦はびっくりした。0−8の劣勢から八回に7点、九回に逆転サヨナラ勝ちにつなげた。

 点差が開いた時に勝っているチームの監督が救援投手に求めるのは、余計な四球で走者をためないこと。勝負をして打たれるのは仕方がないことなので、打たれずして走者をためることだけは嫌がる。日本ハムは、それができなかった。さらに、セットアッパーや抑え投手は当然のように気持ちのスイッチを切っていたことだろう。勢いに乗った打線をいきなり出ていって抑えろということのほうが酷だ。

 ゴールデンウィークに突入すると連戦となるため、先発投手も足りなくなる。2軍から新たに呼ぶ投手も出てくる。そういった投手がチャンスをつかめるのかも楽しみに見ていきたい。

週刊朝日  2018年5月4-11日合併号

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東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

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